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宅配便を装う偽メール [ご案内とお知らせ]

 最近、下記のような文面のいたずらメールが出回っているようです。↓

お客様にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。下記よりご確認ください。

 正確に言えばメールではなく、携帯電話の電話番号に宛てて送られるショート・メッセージです。
 上の文面の後に、sagawa-iなどから始まるURLが書かれています。
 まるで佐川急便のWebサイトであるかのように装っているわけですね。
 そのURLのWeb頁を見ると、アプリをダウンロードするようにと促されます。
 そのアプリをダウンロードすると「誰から何が送られて来たのか。どうすれば受け取れるのか」がわかるのかなと期待させるわけです。

 ところが、そのアプリ(sagawa-akp)をダウンロードすると―――
 今度はあなたの電話機から大勢の人たちに宛てて、同じショート・メッセージが送られてしまいます。
 実は恥ずかしながら私も昨日、そのアプリをダウンロードしてしまいました。
 その結果、私の携帯電話から大勢の人たちに宛てて同じ文面のショート・メッセージが送られてしまったようです。
 そのうち何人もの人たちから、私に電話がかかってきました。
 その人たちとしてみれば「この電話番号は、佐川急便の配達員の人のだろう」と思って電話をかけてきたわけですね。
 ですから「私は佐川急便の関係者では、ありません。それは、いたずらメールです。そこに書かれているアドレスにアクセスしてアプリをダウンロードすると、あなたの電話機からも大勢の人たちに宛てて同じ文面のメールが送られてしまうようです。ですから決して、そのアプリをダウンロードしないでください」と私はお伝えしました。
 私から(を装った)ショート・メッセージを受けとった皆さん、お手間をおかけしてしまい、ごめんなさい。

 しかも私の携帯電話機では、ショート・メッセージを書いて送ることができなくなってしまいました。
 私の電話機からいたずらメールが送られてしまった人に対して、私が「それは偽メールです」というショート・メッセージを送るのを妨げるためでしょう。

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猟犬ジョーに宿はない.4 [皆の恋話]

同じことを繰り返してばかりいると、何だか自分が馬鹿になってしまったように思えてくる。おそらく俺は、本当に頭が悪くなりつつあるのだろう。そろそろ俺の脳細胞も、すっかりアルコール漬けになりかけているはずの頃だ。女を捜してあちこちの街をさまよい歩くようになってからというもの、いつもアルコール度の高いライ・ウィスキーばかり飲みつづけているのだから。

「その望みは薄いわよ。この町に見知らぬ顔がやってきたら、ボスなんかよりも先ずこの店に噂が流れてくるはずだもの。ここはこんな小さな店だけれども、駅のまん前にある店はここひとつしかないわけだしね」
「で、そんな噂を君は全く耳にしていないって言うのかい」

「ええ。でも私が知らないだけで、マスターが何か聞いているかもしれないわ」
「じゃあマスターに聞いてみよう。それにマスターだったら、この町のボスと会うための手づるを何か知っているかもしれないしな」
「どうしてうちのマスターが、そのボスとやらに手づるがあるかも知れないだなんて思うの」

「そんなのは、わかりきったことだよ。どこであれ、ひとつの町を取りしきろうだなんて考える奴のやることなんか決まりきっているんだから。まずはその町の酒場と、あと女とを押さえるんだ。もちろんその上さらに、もっと危いものにまで手を出す場合もあるけどな。まず基本は、どこでも酒と女なのさ。そしてそのふたつが、ここにはそろっているわけだろう」
「ちょっと待って。それ、いったいどういう意味よ。お安く見ないでよね。こう見えてもこの店は素性の正しい飲み屋だし、私だって町の女なんかとは違うんだから」

「いや、そういう意味じゃない。気を悪くしたのなら、すまなかったな。そういうつもりで言ったんじゃなかったんだ。どの町にもいい女がいて、いい酒を出す店があるだろう。荒くれどもが仕事の帰りに立ちよっては一杯ひっかけていくのを、何よりもの楽しみにしているような店がさ。この町の場合、ここがそんな店なんじゃないのかい。そして町のボスともなれば、そんな店のことを決して見落としたりはしない。そんな店こそ他のどこよりもまず、その町の人と情報とが集まる所だからだ。したがってこの町のボスは、きっと何らかの形でこの店のマスターとつながりがあるはずだと思ったんだよ」

「なるほど、そういうわけね。とにかくマスターに訊いてみるといいわ。もうすぐ帰ってくるでしょうから」
「いや、そろそろ行かないといけない」グラスにわずかばかり残っていた酒を飲みほして、俺は立ちあがった。「マスターには、君から聞いておいてくれないか」

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猟犬ジョーに宿はない.3 [皆の恋話]

この時あらためて俺は、グラスから目をあげて女の顔を見つめた。そして、はじめて気がついたのだ。女が、その気になりさえすればいくらでも美しくなれるはずの顔つきの持ち主であることに。にもかかわらずどこかくたびれきって見えるのは、おそらく美しさを装おうという気すらなくしてしまっているのだろう。思えば、むごたらしい話というべきだ。誇るべきものを何も持たない小さな町は、そこで生きる若い女から華やかさや気持ちの張りとでもいったものを奪ってしまう。

「残念ながら、そうもいかないんだ。だいいち俺が捜している女は、何も俺から逃げたというわけではないんだし」
「男は皆、そう言うわ。女に逃げられても自分に原因があったとは考えないで、何か他の理由があったに違いないと考えたがるのよ」
「鋭いねえ。おそらく、全く君の言うとおりなのだろうな。でも今回ばかりは、ちょっと話が違うのさ。なぜならその女は、別に俺とつきあっていたわけでもなんでもないんだから」

「じゃあその女の人は、いったい何から逃げ出したっていうの」
「これはあくまでも俺の考えに過ぎないけれど、おそらく全てのものからなんじゃないのかい。彼女をとりまいていて、その自由の妨げになっていると彼女が感じた全てのものからってわけだな」
「だったらなおさら、わからないってものじゃない。いったいどうして貴方が、その女の人のことを追いかけまわさなければならないのか」

「俺にだってわからないよ、そんなことは。でも俺の捜している女が、実は捜し出されることを求めていないとも限らないだろう」
「そうね。確かに女は、えてしてそれを求めているものだわ。でも貴方の捜している女の人が、やはりそうだという保証は何もないわけでしょう。にもかかわらず貴方は、そんなわずかな可能性のためにその人を捜しつづけるっていうの?」

「だから、それは俺にもわからないんだってば。何のために俺が彼女を捜しているのかってことはね。見つけて連れもどすためですらない。俺はただ、彼女を見つけたいだけなんだ。俺に見つかった彼女がその後いったいどうするのかは、その時になってから彼女が決めればいいことさ。俺が端からとやかく口を出すべきことじゃないよ。そうは思わないか」

女は俺が訊ねたことに答えようとせず、俺の顔をのぞきこんで真っ直に俺の目を見すえた。
「貴方、本気で愛しているのね。その女の人のことを」
「よしてくれよ。俺はもう、愛だなんて言葉を使う気になれるほど若くはないんだからさ」

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猟犬ジョーに宿はない.2 [皆の恋話]

「ちょっと教えてほしいんだが。この町のボスと会うためには、いったいどうすればいいんだろう」
いつだって、知りたいことは単刀直入に訊ねるのが一番だ。

「えっ。ボスって」
「この町をとりしきっている奴のことさ。言いかえるならこの町で一番、自分のやりたいことを好き勝手にできる奴のことだな」
「知っているわけがないじゃないの、そんなこと。私はただのしがないウエイトレスにすぎないんだから。この町にボスなんてのがいるのかどうか、ということさえも私にはわからないわ。そういうことだったら、その筋のお兄さん達にでも聞いた方が早いんじゃないかしら」
どうやら俺は探偵に商売がえをしても、立派に喰っていくことができそうだ。町で出会ったこんな若い娘ごときに、その町のボスと連絡をつける手だてを訊くなんて。

「なるほど、それを聞いて安心したよ。どうやらこの町は健全らしいとわかったからな」
「えっ、どうしてそういうことになるの」
「飲み屋で働いているウエイトレスがその町のボスを知っているようじゃ、よほどそいつが幅をきかせているってことだろう。でもまともなボスなら、決してそんなやり方はしない。誰が町をしきっているのかということをわからせないように、あくまでも自分は陰から人々をあやつって動かすのが洗練されたやり方っていうわけさ」

「で、ボスが洗練されたやり方をしていれば、その町は健全だって貴方は思っているわけね。でも普通に考えれば健全な町っていうのは、むしろボスなんかがいない所のことなんじゃないの」
「ボスがいない町なんて、ありえないんだ。そんなのは子供のお伽話に出てくる町だけさ。実際にあるのは、ただ2つの町の間の違いだけなんだよ。ボスがいて誰もがそのことを知っている町と、ボスがいるけど普通の人はそのことに気がついていない町との間の」

「貴方の言っていることの方が、よっぽど変に聞こえるわよ。くだらないハードボイルドあたりを読みすぎて、頭がおかしくなった人の話か何かみたいに」
「ハードボイルドは、くだらなくなんかないよ。くだらないのは、つまらない小説をハードボイルドと名づけて売っている奴らの方さ」
ちょっとの間、女は首をかしげて考えこむような素振りを見せた。しかしすぐに考えるのをやめてしまったようだ。決して俺の言ったことが納得できたわけでないのは、その顔つきを見ていればわかる。

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