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非難できない不倫もある? [恋愛実用書などで学ぶ]

坂爪真吾『はじめての不倫学』光文社新書

 既婚者が自分の配偶者との関係だけに充ち足らず、他の相手を探して恋愛や性交をする例があります。
 あるいは独身者が自分の気持ちを充たすため、わざわざ既婚の人を相手に恋愛や性交をする例もあります。
 こういうふうに「自分の気持ちを充たすため、わざわざ相手を探して不倫を行なう」のを今、仮に「自分起因の婚外恋愛」と呼ぶことにしましょう。
 このような「自分起因の婚外恋愛」は社会的な結婚制度の倫理に反しているので、確かに「不倫」と呼ばれてもしかたがない面があるのではないでしょうか。

 しかし世間で不倫と呼ばれている関係の中には、もう少し性質が異なるものも含まれているように思われます。
 たとえば30歳で結婚した人が離婚をせずに、80歳で配偶者と死別したとしましょう。
 その人にとっては、一人の相手との結婚関係が50年もの長い間にわたって続くことになります。
 しかし50年もの間には自分の配偶者でない他の魅力的な人と出会って、その相手と相思相愛の関係になってしまうことがないとも限りません。
 このように「既婚者が自分の配偶者の他に魅力的な相手と出会って、相思相愛になること」を今、仮に「先方起因の婚外恋愛」と呼ぶことにしましょう。
 このような「先方起因の婚外恋愛」の中には、「不倫」などと表現して倫理的に非難するのは苛酷に過ぎると思われる例もあるのではないでしょうか。

 あるいはまだ結婚はしていなくても、特定の相手と近いうちに結婚することを考えている人がいるとします。
 しかし、その相手と関わっているうちに「この人は、必ずしも自分と結婚することを必要としてはいない」と思い知らされてしまったとします。
 その一方で、自分との関りを必要としている別の相手がいることに気づいたとします。
 その場合、結婚することを考えていた方の相手ではなく、自分のことを必要としている別の相手と関わる方をこそ選ぶべきではないのか――
 そんな疑問を読者に提示しているのが村上春樹の『ノルウェイの森』であり、拙作『10年ごしのプロポーズ』です。
 このような場合に「自分のことを必要としている別の相手の方」とつきあうことも、広い意味での「先方起因の婚外恋愛」に含めることができるのでしょう。

 坂爪真吾が書いた『はじめての不倫学』の中では「世間で流布されている不倫の動機をタイプ別に分類すると、おおむね以下の通りになる」とした上で「今のパートナーよりも魅力的な相手に出会い、惚れてしまったことで起こる」という例も挙げられています。
 したがって坂爪真吾が言う「不倫」の中には、「先方起因の婚外恋愛」も含まれているのでしょう。
 しかし坂爪真吾が挙げた「不倫の動機」の「タイプ」は、私が言うところの「自分起因」のものがほとんどを占めています。
『はじめての不倫学』の中で描かれている具体例も、私が言うところの「自分起因」のものばかりとなっています。

 しかしたまたま私は、「自分起因の婚外恋愛」よりも「先方起因の婚外恋愛」の方に興味があります。
 ですから『はじめての不倫学』を読んだ時も「もう少し『先方起因の婚外恋愛』を取り上げてほしかったな」と思ってしまいました。
 だなんて言うのは、いかにも我がままで自分起因な「ないものねだり」だと言われてしまうかもしれませんけど。

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はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)


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ノルウェイの森 上 (講談社文庫)


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10年ごしのプロポーズ  上: ドラマティックな恋愛実話


10年ごしのプロポーズ  下: ドラマティックな恋愛実話


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