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包茎男がヘイト・スピーチ? [恋愛実用書などで学ぶ]

坂爪真吾『孤独とセックス』扶桑社新書

 ヘイト・スピーチ、と表現される言動をする人たちがいるようです。
 特定の個人や集団などを嫌って、激しく貶す人たちです。
 もちろん、特定の個人や集団などを嫌って貶すこと自体は当人の自由です。
 思想や言論の自由は、憲法でも保証されています。
 しかしヘイト・スピーチをする人たちは対象となる個人や集団を、充分な理由や根拠のないまま嫌ったり貶したりしている場合も多いようなのです。
 はたして彼らは、どうしてヘイト・スピーチをするのかな――
 このところ私は、そんな疑問を抱いていました。

 そんな時に、坂爪真吾『孤独とセックス』を読んだのです。
 この本については、当塾の「つながる力を18歳の男子に」の頁でご紹介させていただきました。
「包茎であることがコンプレックスです。(中略)やはり、お金を払って手術したほうがいいのでしょうか?」というような「孤独とセックスにまつわる11の問いと、それらに対する回答」が書かれている本です。
 この本の中には包茎の男性が「性経験のある女性」に対するヘイト・スピーチを行なう際の心理を描いてみせているくだりがあります。
 少し長くなりますが、引用してみましょう。

 孤独の中で性的なコンプレックスをこじらせると、実体験なきミソジニー(女性嫌悪・女性蔑視)の泥沼にはまってしまいます。
 ツイッターやウェブニュースのコメント欄、匿名掲示板からまとめサイトまで、ネット上のあらゆる場面に、ミソジニーに囚われた男性たちによる、女性差別極まりないつぶやきや書き込みが蔓延しています。彼らは性経験のある女性を「中古」「肉便器」、専業主婦を「寄生虫」と呼び、日本は女性だけが優遇され、男性が不当に虐げられている「女尊男卑」社会であることを訴えています。
 こうしたミソジニーは伝染します。最初は見ているだけの傍観者だったはずが、気がつけば、女性一般に対するヘイトスピーチまがいの投稿やつぶやきを繰り返す当事者になってしまうこともあります。実体の無いコンプレックスに振り回された挙句、同じく実体の無い誰かや何かを叩くことで精神の安定を保とうとする、完全な独り相撲です。
 自分がモテない理由を「包茎だから」とコンプレックスのせいにできれば、あるいは女性や社会のせいにできれば、行動をしないための言い訳になります。
「包茎は医学的にも統計的にもコンプレックスになりようがない」という科学的事実を直視してしまうと、異性にモテないことは「包茎のせい」でも「女性や社会のせい」でもなく、他でもない「自分自身のせい」になってしまう。
 この事実に向き合うことに耐えられない人は、架空のコンプレックスや攻撃対象を作り上げて、「自分がモテないのは、こいつのせいだ」と、それに全ての責任を擦り付けることによって、精神の安定を保とうとする。(引用、ここまで)

 女性にモテない包茎の人が、それを「自分自身のせい」ではないと考えるため「性経験のある女性」や「女性一般」に「全ての責任を擦り付けることによって、精神の安定を保とうとする」場合があるというのです。
 はたしてそれが本当なのかどうか、私にはわかりません。
 どうしてそれを坂爪真吾が知っているのか、ということも私にはわかりません。
 しかし、ここに書かれているような例が実際にあるのだとすれば――
 他の種類のヘイト・スピーチをする人たちも、これと似たような理由に基づいている場合があると考えることができるのではないでしょうか。

下にある本の画像をクリックすると、その本に関するAmazon.co.jpの該当頁が表示されます。
同じ本の表紙の画像が二つある場合、後の方は電子書籍です。

孤独とセックス (扶桑社新書)


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