9番目の夢.37 [20才と31才の恋話]
「お久しぶりです。あなたの夏代です。
ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、私は現在、何を勘違いしてしまったのか、某ミッション系フライ級お嬢ちゃんお坊ちゃん大学へ通っております。しかも、お洒落な女の子がやたら多いのよ学部の、ついでに化粧も上手いのよ学科です。
で、その「某ミッション系フライ級お嬢ちゃんお坊ちゃん大学」ですが。私のような一般庶民には大変通いづらい大学でございまして。正直言って四年も続くもんだか今から心配であります。どんな場所ででも上手くやって行ける方も世の中には沢山いらっしゃるようですけれども。何せ私は人づきあいの要領が悪い。おまけにやたらとトラブルに巻きこまれてしまうというありがたくない才能に恵まれておりまして。(それは、お前が危ない橋ばっかり渡るからじゃねえかとのお叱りを受けてしまいそうですが、決して決してそれだけが理由ではないのですよ、本当に!)
御安心ください。夏代は、まだまだ貧乏クジ引いてます。ツキは、とっくに逃げて行きました。今日は、そのどうもツイてない学生生活の中のある一日、あるひとときの出来事をお話したいと思います。
「地方の豪族」
私の友人(もっとも、あまり友人とは思いたくないのも山々なのですが)にRというお嬢様がいらっしゃいます。まこともって「いらっしゃいます」と言うのに相応しいそのお顔立ちとお姿とお言葉づかいとご性格。そんな方でございまして。
「父が、危ないと言うものですから」。それが、彼女の、自転車に乗れない理由だそうでございます。(大袈裟だと思うでしょ? 嘘だと思うでしょ? ホントなんです)
で、そのRですが。高校までは岩手に住んでいたそうです。厳しい厳しい、大富豪のお父様お母様の元を離れ、憧れの東京へ出てきて、(目玉の飛び出るような入寮料を取られる某学生会館で)一人暮らしの女子大生となったものですから、もう嬉しくて大はしゃぎです。
こういうタイプの方が、この大学にはわりと沢山いらっしゃいまして。私はひそかに、一人で勝手に、彼女達のことを「地方の豪族」と呼んでいるのですが。
「地方の豪族」それは、大変趣ぶかいものでございます。
四月。入学式でたどたどしく校歌を歌う彼女達はまだ、「どえらく金がかかってそうだけど、でも、あか抜けてないやね」と誰もが思うような、一発でそれと分かる化粧、あるいは身なりをなさいます。しかし、時は流れ、
サークル勧誘の嵐が過ぎ去り、
やたらと分かりづらい履修手続きが終わり、
そしてキャンパスにツタの葉が絡み始める頃になりますと、
少しずつ、少しずつ、彼女達の化粧が、身なりが、上級生達のそれとなじみ始めます。そしてツタの葉が時計台まで届く六月。金・美貌・男・都会的なセンス・自由な生活・育ちの良さ・可愛く見えるための知識、そう言ったものを全て手にいれ、もはや無敵となった彼女達は胸をはり瞳を輝かせて颯爽とキャンパスを闊歩するのです。そして「この大学の学生からは、どんな印象を受けますか?」とのアンケートで「みんな綺麗」「お洒落」「可愛い」「美人」と格好のことばかり言われてしまうようなわが大学を、その彼女達こそが、背負って立ってゆくのです。いやあ、季節を感じますねえ。
さて、貧乏人のひがみはここでおしまいです。本題に入りましょう。
それは、入学して二週間ほどたった、ある晴れた日のお昼休みのことでございます。
学食が異常に狭く、メニューが非常に少ないわが大学では(生協が無いんですよ)、友達と近くのお店でランチ、と言うのがごくごく常識となっております。このランチというのがくせものでして。「学生のランチは五百円台まで!せめて大目に見て六百円台まで!」と思っていた私にはちょっと辛いものがあります。何せ、友達みんなの行きつけの店は、「ランチ九百八十円均一」でございまして。しかも量が少ない。体育系の男子とほぼ同量を食らってしまう私と致しましては誠に悲しいものです。それでも、一人で食べていると変な目で見られてしまう、というせせこましくまとまったわが大学の学風では、まあこれも試練の一つだと考えるべきなのかも知れません。しかしです。先ほど話したお嬢様のR。こいつに捕まると終わりです。
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ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、私は現在、何を勘違いしてしまったのか、某ミッション系フライ級お嬢ちゃんお坊ちゃん大学へ通っております。しかも、お洒落な女の子がやたら多いのよ学部の、ついでに化粧も上手いのよ学科です。
で、その「某ミッション系フライ級お嬢ちゃんお坊ちゃん大学」ですが。私のような一般庶民には大変通いづらい大学でございまして。正直言って四年も続くもんだか今から心配であります。どんな場所ででも上手くやって行ける方も世の中には沢山いらっしゃるようですけれども。何せ私は人づきあいの要領が悪い。おまけにやたらとトラブルに巻きこまれてしまうというありがたくない才能に恵まれておりまして。(それは、お前が危ない橋ばっかり渡るからじゃねえかとのお叱りを受けてしまいそうですが、決して決してそれだけが理由ではないのですよ、本当に!)
御安心ください。夏代は、まだまだ貧乏クジ引いてます。ツキは、とっくに逃げて行きました。今日は、そのどうもツイてない学生生活の中のある一日、あるひとときの出来事をお話したいと思います。
「地方の豪族」
私の友人(もっとも、あまり友人とは思いたくないのも山々なのですが)にRというお嬢様がいらっしゃいます。まこともって「いらっしゃいます」と言うのに相応しいそのお顔立ちとお姿とお言葉づかいとご性格。そんな方でございまして。
「父が、危ないと言うものですから」。それが、彼女の、自転車に乗れない理由だそうでございます。(大袈裟だと思うでしょ? 嘘だと思うでしょ? ホントなんです)
で、そのRですが。高校までは岩手に住んでいたそうです。厳しい厳しい、大富豪のお父様お母様の元を離れ、憧れの東京へ出てきて、(目玉の飛び出るような入寮料を取られる某学生会館で)一人暮らしの女子大生となったものですから、もう嬉しくて大はしゃぎです。
こういうタイプの方が、この大学にはわりと沢山いらっしゃいまして。私はひそかに、一人で勝手に、彼女達のことを「地方の豪族」と呼んでいるのですが。
「地方の豪族」それは、大変趣ぶかいものでございます。
四月。入学式でたどたどしく校歌を歌う彼女達はまだ、「どえらく金がかかってそうだけど、でも、あか抜けてないやね」と誰もが思うような、一発でそれと分かる化粧、あるいは身なりをなさいます。しかし、時は流れ、
サークル勧誘の嵐が過ぎ去り、
やたらと分かりづらい履修手続きが終わり、
そしてキャンパスにツタの葉が絡み始める頃になりますと、
少しずつ、少しずつ、彼女達の化粧が、身なりが、上級生達のそれとなじみ始めます。そしてツタの葉が時計台まで届く六月。金・美貌・男・都会的なセンス・自由な生活・育ちの良さ・可愛く見えるための知識、そう言ったものを全て手にいれ、もはや無敵となった彼女達は胸をはり瞳を輝かせて颯爽とキャンパスを闊歩するのです。そして「この大学の学生からは、どんな印象を受けますか?」とのアンケートで「みんな綺麗」「お洒落」「可愛い」「美人」と格好のことばかり言われてしまうようなわが大学を、その彼女達こそが、背負って立ってゆくのです。いやあ、季節を感じますねえ。
さて、貧乏人のひがみはここでおしまいです。本題に入りましょう。
それは、入学して二週間ほどたった、ある晴れた日のお昼休みのことでございます。
学食が異常に狭く、メニューが非常に少ないわが大学では(生協が無いんですよ)、友達と近くのお店でランチ、と言うのがごくごく常識となっております。このランチというのがくせものでして。「学生のランチは五百円台まで!せめて大目に見て六百円台まで!」と思っていた私にはちょっと辛いものがあります。何せ、友達みんなの行きつけの店は、「ランチ九百八十円均一」でございまして。しかも量が少ない。体育系の男子とほぼ同量を食らってしまう私と致しましては誠に悲しいものです。それでも、一人で食べていると変な目で見られてしまう、というせせこましくまとまったわが大学の学風では、まあこれも試練の一つだと考えるべきなのかも知れません。しかしです。先ほど話したお嬢様のR。こいつに捕まると終わりです。
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