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ハードボイルド純愛論 [読者の皆さんと考える]

 当塾では「純愛論」と題して、ハードボイルド論を連載しています。
「ハードボイルドは愛だ」と、そこでは唱えさせていただいております。
 その旨を先日、なおぼんさんのblog「wawabubu(なおぼん)のblog」のうち「はぁどぼいるど・なおぼん」と題された頁のコメント欄に書かせていただきました。
 すると同じ頁のコメント欄に、なおぼんRさんが以下のようなコメントを書いてくださったのです。なおぼんRさん、どうもありがとうございました。

梧桐渉様 おはようございます
レイモンド・チャンドラーですね。
「優しくなければ生きている資格がない」ってやつ。
愛は西洋では、非常に熱を帯びて語られる。
神の愛、人類の愛、大自然の愛…
アガペーとエロース、フィリアとストルゲー
ところが日本には大した愛の分類はない。
だからといって日本人が愛に乏しいのかというとそうではない。
色や空模様に細かい分類をし、名前を付ける日本人が愛についてはあまり語らない。
ハードボイルドはやはり、欧米の文化を色濃く反映し、騎士道精神とジェントルマンの美学が醸し出す善と悪…そんな感じでしょうか。
ハードボイルドにはやはり人間の弱さが裏にあると思うのです。
それは愛を死守せんがために、自らを犠牲にする美しさでしょうか?

 やさしくなれなかったら、生きている資格がない――
 レイモンド・チャンドラー作『プレイバック』に出てくるこの科白に関して、「純愛論」では「純愛論.9」の頁で言及させていただいております。
 しかし「純愛論.10」の頁では、次のようにも書かれています。
「ロス・マクドナルドは人と人との愛について、より細かに描きだしたと言えるのでなかろうか。ハメットやチャンドラーなどよりもはるかに細かく、そのひださえをも。」
 さらに「純愛論.24」の頁では、次のように書かせていただきました。

 スペードでさえエフィーとの間に、心あたたまるような間柄を築きあげていた。チャンドラーが書きかけた後を受けてパーカーが書きあげた「プードル・スプリングス」のなかでマーロウは、リンダ・ローリングと結婚した。決してアン・リアーダンとではなしに。チェイスも「ブランデシ嬢に蘭はない」の続きにあたる「蘭の肉体」のなかで、キャロルとスティーヴとの間にかわされた純愛を描いてみせた。スペンサーはスーザンと、二十年もの間にわたって愛しあい続けている。ジョン・ターナーと、その秘書ペギーとの間の心の通いあいも美しい。あのハマーでさえ一作ごとに他の女へ目うつりはしながらも、少しづつヴェルダとの間に純愛を育んでいったのだ。

 スペードとエフィーはダシール・ハメットが書いた『マルタの鷹』などの登場人物です。
 マーロウとリンダ・ローリングとアン・リアーダンはレイモンド・チャンドラーが書いた連作の登場人物です。
 スペンサーとスーザンはロバート・B・パーカーが書いた連作の登場人物です。
 ジョン・ターナーとペギーはスティーヴン・グリーンリーフが書いた連作の登場人物です。
 ハマーとヴェルダはミッキー・スピレーンが書いた連作の登場人物です。
 ハードボイルドには、これらの登場人物たちの純愛を描いた作品が多いのです。

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