人気者に好かれた私.3 [17才の恋話]
そうそう、それから浅木さんって言えばさ。
同じクラスで一緒に過ごしている女の子同士だと、たとえまだ親しくはなっていなかったとしても、お互いにすぐそばにまで近寄ることもあったりするわけでしょう。
私がいるすぐ脇を浅木さんが通ったり、あるいは逆に私の側が浅木さんの横を通りすぎたりすることもしょっちゅうなんだし。
でもって、そういう時にね。
ほぼ必ずと言っていいほど、浅木さんの体からとってもいい匂いが漂ってくるの。
けれどもそれは、決して香水なんかじゃなくて。
どうやら、そういう匂いのするシャンプーだかリンスだかを使っているみたい。
あれはいったい、なんていう銘柄のシャンプーやリンスなのかなあ。
それがあまりにもいい匂いなので、ちょっと憧れちゃうんだけど。
でも、だからと言って私なんかが真似をしてみても駄目なのでしょうね。
あれは浅木さんみたいに優雅な見た目の人が使うから、ちゃんと様になるのであってさ。
私なんかが背のびして同じ匂いを漂わせたりしようものなら、「なにを気どっているんだ」って言われちゃいそうだもの。
全くもって本当に、浅木さんみたいな見た目に生まれついたら何かにつけても得だわよねえ。
それに比べて私のような見た目だと、おしゃれをするにも身の程をわきまえなくちゃいけなくて大変。
せっかく「高校に入ったら、こんな私にも恋人ができてくれたりしないかな」って期待しちゃっていたのにさ。
なんだか浅木さんと自分のことを見比べてみると、「こりゃ、無理そうだな」としか思えなくなっちゃって気が滅入ってきちゃうのよね。
すっかり「あんな浅木さんみたいにきれいな人と同じ組になっちゃったのは、不運だったかもしれないな」って思えてきちゃったというものじゃないの。
もちろん、まだその時点では「それが後に自分にとって、とても切実な問題になってくる」だなどとは思ってもみずにいたわけだけど。
それから担任の先生の話も、しておかなくっちゃね。
私たちの一年F組を担任することになったのは、若い女の先生でさ。
何か面白いことがあったりすると、私たち生徒と一緒になって、本当に楽しそうに笑ってくれるの。
その逆に何か問題が起こった時も、私たちのことを頭ごなしに叱りつけたりはしないで。
まずは私たちの話も聞いて、ちゃんと事情を理解しようとしてくれるのよ。
いい先生が担任になってくれたな、って思っちゃったわ。
そんな気さくで優しい先生だから、クラスの皆にも好かれていたみたいで。
皆すぐ決して苗字の方じゃなく、下の名前の方で満智子先生と呼ぶようになったの。
そんな呼び方にも、満智子先生に対するクラスの皆の親近感が表われていたと言えるんじゃないかな。
クラスの皆のうちの何人かは、そのうち満智子先生の家へ遊びに行ったりもするようになったし。
そしたら先生の家が、すごくてね。
あちこちの壁が本棚で覆われていて、とてもたくさんの本で埋めつくされていたのよ。
「ああ、満智子先生って勉強熱心なんだな」って感心させられちゃった。
自分自身は向上心がない先生から「勉強しろ」と言われても、「そうおっしゃる先生ご自身は、どうなんですか」って思っちゃうけれど。
満智子先生みたいな先生だったら、本当に私たちのためを考えてくれての助言だと思えて「素直に従わなくっちゃ」っていう気になれるわよねえ。
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同じクラスで一緒に過ごしている女の子同士だと、たとえまだ親しくはなっていなかったとしても、お互いにすぐそばにまで近寄ることもあったりするわけでしょう。
私がいるすぐ脇を浅木さんが通ったり、あるいは逆に私の側が浅木さんの横を通りすぎたりすることもしょっちゅうなんだし。
でもって、そういう時にね。
ほぼ必ずと言っていいほど、浅木さんの体からとってもいい匂いが漂ってくるの。
けれどもそれは、決して香水なんかじゃなくて。
どうやら、そういう匂いのするシャンプーだかリンスだかを使っているみたい。
あれはいったい、なんていう銘柄のシャンプーやリンスなのかなあ。
それがあまりにもいい匂いなので、ちょっと憧れちゃうんだけど。
でも、だからと言って私なんかが真似をしてみても駄目なのでしょうね。
あれは浅木さんみたいに優雅な見た目の人が使うから、ちゃんと様になるのであってさ。
私なんかが背のびして同じ匂いを漂わせたりしようものなら、「なにを気どっているんだ」って言われちゃいそうだもの。
全くもって本当に、浅木さんみたいな見た目に生まれついたら何かにつけても得だわよねえ。
それに比べて私のような見た目だと、おしゃれをするにも身の程をわきまえなくちゃいけなくて大変。
せっかく「高校に入ったら、こんな私にも恋人ができてくれたりしないかな」って期待しちゃっていたのにさ。
なんだか浅木さんと自分のことを見比べてみると、「こりゃ、無理そうだな」としか思えなくなっちゃって気が滅入ってきちゃうのよね。
すっかり「あんな浅木さんみたいにきれいな人と同じ組になっちゃったのは、不運だったかもしれないな」って思えてきちゃったというものじゃないの。
もちろん、まだその時点では「それが後に自分にとって、とても切実な問題になってくる」だなどとは思ってもみずにいたわけだけど。
それから担任の先生の話も、しておかなくっちゃね。
私たちの一年F組を担任することになったのは、若い女の先生でさ。
何か面白いことがあったりすると、私たち生徒と一緒になって、本当に楽しそうに笑ってくれるの。
その逆に何か問題が起こった時も、私たちのことを頭ごなしに叱りつけたりはしないで。
まずは私たちの話も聞いて、ちゃんと事情を理解しようとしてくれるのよ。
いい先生が担任になってくれたな、って思っちゃったわ。
そんな気さくで優しい先生だから、クラスの皆にも好かれていたみたいで。
皆すぐ決して苗字の方じゃなく、下の名前の方で満智子先生と呼ぶようになったの。
そんな呼び方にも、満智子先生に対するクラスの皆の親近感が表われていたと言えるんじゃないかな。
クラスの皆のうちの何人かは、そのうち満智子先生の家へ遊びに行ったりもするようになったし。
そしたら先生の家が、すごくてね。
あちこちの壁が本棚で覆われていて、とてもたくさんの本で埋めつくされていたのよ。
「ああ、満智子先生って勉強熱心なんだな」って感心させられちゃった。
自分自身は向上心がない先生から「勉強しろ」と言われても、「そうおっしゃる先生ご自身は、どうなんですか」って思っちゃうけれど。
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