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中学での人気者の一例.4 [14才の恋話]

 そういうふうに日向君って、ただ単に面白いだけじゃなくてさ。「さすがは男の子だな」って思えるような、頼もしさもあったものだから。だから日向君のことが好きだっていう女の子が、たくさんいたのでしょうね。日向君と恋人とかになれたら楽しいだろうし、頼りにもなりそうだからというので。
 それに日向君がコンドームのことを知らなかったのも、いかにも純情そうな感じで好印象だし。

 私も中学生になって初潮も済ませていたから、セックスのことなんかにも興味はあったんだ。好奇心だとか憧れのような気持ちもある反面、ちょっぴり怖いような気もしていたんだけれど。
 でもって男の子たちの中には性に関する話を、なんだかすごく嫌らしい口調でおしゃべりしていたりする子も多いでしょう。ああいうのはいつも、やめてほしいなって思っていたのよね。

 でも日向君に限っては決して、そういう話に加わっているのを見かけたことがない。そういう点も、さわやかな感じでさ。それも女の子たちの間で日向君の人気が高かった、理由の一つだったみたい。
 だから私も日向君とだったら、セックスとかしちゃうことになっちゃったとしてもいいかなって思ってたの。

 コンドームのことも知らなかったし、男の子たちとセックスの話をしたりすることもないらしい日向君。そんな日向君のことだから、おそらくセックスのやり方なんかに関しては、あまり詳しくないんじゃないのかな。だからもし、もしも本当に日向君とセックスとかすることになったとしてもよ。全てを日向君に任せておけば優しくリードしてくれる、だなんてわけにはいかないんでしょうね。

 だけどそれならそれで、それでもいいと思っていたの。
 だって相手の男の子だって、まだ中学生なわけでしょう。なのにやたらとセックスのやり方なんかに詳しくて、完璧なリードぶりを見せられちゃったりしたらさ。それもなんだか嫌らしい感じで、ちょっと興ざめしちゃいそうだもの。

 でもあの日向君の性格だったら、セックスのやり方なんかに詳しくなくても優しくはしてくれそうな気がする。どういうふうにしてほしいのか、こっちの気持ちを訊いて確かめようとしたりなんかして。そういうのも初々しい感じで、わりといい雰囲気になれるんじゃないのかな。もしかすると少し都合のよすぎる空想だったのかもしれないけど、そんなふうに思ってみたりなんかもしていたのよ。

 やっぱりつまり私って、すっかり日向君にぞっこんだったってわけね。そうやって「ちょっと大丈夫かな」と不安な点も「あばたも笑窪」っていうやつで、自分に都合のいいように解釈しちゃってばかりでさ。
 でも日向君のことが気になればなるほど、悲しい思いで胸が締めつけられるような切なさに苦しめられちゃっていたの。だって私が、いくら日向君のことを好きになってもさ。それってただ単に、私の側の片想いでしかなかったわけだから。

 日向君はああいう性格だから、わけへだてなく誰にでも気軽に声をかけてくる。だから私も以前から、日向君と話をすることはあったんだ。
 でも日向君は皆の人気者だから、いつでも彼のまわりは大勢の友だちに囲まれちゃってて。それも決して男の子たちだけじゃなく、女の子たちも含めてね。そんな中で私は決して、日向君にとって特別な相手だったりしたわけじゃない。あくまでも「大勢いる友だちの中の一人」に過ぎないってことは、自分でもよくわかっていたの。

 だから私は、一大決心をしたわけよ。どうにかしてその状態を抜けだし、日向君と「特別な仲」になってやるって。
 ただ問題は「どうすれば、そうなれるのか」ってことだったんだ。
(「至福の恋人を探して」より)

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至福の恋人を探して  卑猥でない性愛物語

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