自慰での射精の処理 [恋愛小話]
「私は先端摩擦法での自慰をする時、すぐ近くにティッシュを用意しておきます。ティッシュの入った箱を手元に置いておく、というわけではありません。あらかじめ箱から抜きとったティッシュを四つにたたみ、必要になったらすぐ手にとってペニスの先端にあてがえるように用意しておくのです。その上で、先端摩擦法による自慰を始めるわけですな」
そこまで話した時点で仁藤は、私に訊ねた。
「ええと鱒尾さんは、右利きでいらっしゃいましたっけ？」
鱒尾というのは、私の苗字だ。
そこで私が「ええ、そうです」と答えると、仁藤は「それでは私も右利きですので、利き手は右手だということで説明をさせていただきましょう」と言った。
そして、その上で説明の続きにとりかかったのだ。
「私たちのように右利きの場合は右手の指で自分のペニスをはさんで振って、その先っぽを左手の手のひらにこすりつけるわけですよね。そして射精してしまいそうになったら左手をペニスから離し、その手でティッシュを取ってペニスの先にあてがい精液を受け止めるのです。自慰で絶頂に達しかけた時には、その気持ちよさを味わいつくすためにも、射精の瞬間までペニスの刺激を続けていたいという気を起こしてしまうじゃないですか。だからなるべく射精の直前まで左手の手のひらをペニスの先にあてておくわけですが、本当に射精の瞬間の直前に左手を離してすばやくティッシュをつかみ、それをペニスの先っぽにあてがってやらなければなりません。何度かやってみていただければ、これが上手くできるようになるでしょう。ただし私は今でも時おりティッシュを上手くつかみそこなったり、あるいはペニスの先っぽにきちんとあてがえなかったりして、精液の受け止めに失敗してしまうこともあるんですが」
「すると、それが上手くできるようになるためは練習が必要なのでしょうか」
そう訊ねた私に仁藤は、答えてくれる。
「練習といっても、何か技術を磨いたりするというわけではありませんけど。むしろ必要なのは思いきりとでも言いますか、タイミングの見きわめを会得することなんじゃないかという気がしますよ。今も申しましたように絶頂に達しかけた時って、その気持ちよさを味わいつくすため、射精の瞬間までペニスの刺激を続けていたくなっちゃいますでしょう。でもそれを必死に我慢して、本当に射精の直前に左手を離してティッシュを取るわけです。ただ絶頂の気持ちよさを充分に味わいつくすためにも、なるべく左手を離すのを遅らせたくなっちゃいますからね。『もう限界だ。今、ここで左手を離してテッィシュをつかまなければ』という瞬間を見きわめられるようになる必要があるってわけですな」
「なら先端摩擦法の自慰で射精をちゃんとティッシュで受け止めるためには、絶頂の快感を完全に味わいつくすのは諦めなくちゃいけないんですか」
そんな私の疑問を仁藤は、力強い口ぶりで打ち消した。
「いや、必ずしもそういうわけではありません。射精の時っていうのは確かに、本当に射精のその瞬間までペニスを刺激しつづけたくなっちゃうみたいなんですけどね。でもこれは実際にやってみますとわかるんですが、射精の瞬間の本当に直前でしたらペニスの刺激をやめてしまっても充分な快感を味わえるようなんです。おそらく精液が尿道を通って飛び出してくるその瞬間には、もはやペニスを外側から刺激しなくても、精液が尿道を通ってくることによる刺激が充分な快感をもたらしてくれるのでしょう。ただ、それはもう本当に射精の瞬間のその時だけのことなものですから。その直前までは左手も使ってペニスの刺激を続け、本当にその瞬間の直前に左手を離してティッシュをつかむ、その見きわめを習得するのに少し練習が必要みたいなんですよ」
「ふうむ、なるほど」私は思わず、納得させられてしまったような気がした。「じゃあちょっと私も、それを練習させていただくことにしますよ」
そう言った上で私はふと気づき、改めて仁藤に礼を述べたのだ。
「いや、どうもありがとうございます。わざわざ私のお訊ねさせていただいた疑問に、ご丁寧にお答えいただきまして」
「いいえ、こちらこそ。むしろ私どもの方が、お礼を申し上げるべき立場なのでしょう。先端摩擦法の説明会で射精時の精液の受け止め方についてもお話をさせていただくべきだという、実に有意義なご指摘をいただいたわけですので」
（「より上の悦楽を求めて」より）
（「先端摩擦法」には弊害が伴う可能性があります。
「ペニスの先をこする弊害」の頁を、併せてご高覧ください）
『より上の悦楽を求めて』には、より気持ちのいい男性の自慰や性交のやり方の講習が描かれています。
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そこまで話した時点で仁藤は、私に訊ねた。
「ええと鱒尾さんは、右利きでいらっしゃいましたっけ？」
鱒尾というのは、私の苗字だ。
そこで私が「ええ、そうです」と答えると、仁藤は「それでは私も右利きですので、利き手は右手だということで説明をさせていただきましょう」と言った。
そして、その上で説明の続きにとりかかったのだ。
「私たちのように右利きの場合は右手の指で自分のペニスをはさんで振って、その先っぽを左手の手のひらにこすりつけるわけですよね。そして射精してしまいそうになったら左手をペニスから離し、その手でティッシュを取ってペニスの先にあてがい精液を受け止めるのです。自慰で絶頂に達しかけた時には、その気持ちよさを味わいつくすためにも、射精の瞬間までペニスの刺激を続けていたいという気を起こしてしまうじゃないですか。だからなるべく射精の直前まで左手の手のひらをペニスの先にあてておくわけですが、本当に射精の瞬間の直前に左手を離してすばやくティッシュをつかみ、それをペニスの先っぽにあてがってやらなければなりません。何度かやってみていただければ、これが上手くできるようになるでしょう。ただし私は今でも時おりティッシュを上手くつかみそこなったり、あるいはペニスの先っぽにきちんとあてがえなかったりして、精液の受け止めに失敗してしまうこともあるんですが」
「すると、それが上手くできるようになるためは練習が必要なのでしょうか」
そう訊ねた私に仁藤は、答えてくれる。
「練習といっても、何か技術を磨いたりするというわけではありませんけど。むしろ必要なのは思いきりとでも言いますか、タイミングの見きわめを会得することなんじゃないかという気がしますよ。今も申しましたように絶頂に達しかけた時って、その気持ちよさを味わいつくすため、射精の瞬間までペニスの刺激を続けていたくなっちゃいますでしょう。でもそれを必死に我慢して、本当に射精の直前に左手を離してティッシュを取るわけです。ただ絶頂の気持ちよさを充分に味わいつくすためにも、なるべく左手を離すのを遅らせたくなっちゃいますからね。『もう限界だ。今、ここで左手を離してテッィシュをつかまなければ』という瞬間を見きわめられるようになる必要があるってわけですな」
「なら先端摩擦法の自慰で射精をちゃんとティッシュで受け止めるためには、絶頂の快感を完全に味わいつくすのは諦めなくちゃいけないんですか」
そんな私の疑問を仁藤は、力強い口ぶりで打ち消した。
「いや、必ずしもそういうわけではありません。射精の時っていうのは確かに、本当に射精のその瞬間までペニスを刺激しつづけたくなっちゃうみたいなんですけどね。でもこれは実際にやってみますとわかるんですが、射精の瞬間の本当に直前でしたらペニスの刺激をやめてしまっても充分な快感を味わえるようなんです。おそらく精液が尿道を通って飛び出してくるその瞬間には、もはやペニスを外側から刺激しなくても、精液が尿道を通ってくることによる刺激が充分な快感をもたらしてくれるのでしょう。ただ、それはもう本当に射精の瞬間のその時だけのことなものですから。その直前までは左手も使ってペニスの刺激を続け、本当にその瞬間の直前に左手を離してティッシュをつかむ、その見きわめを習得するのに少し練習が必要みたいなんですよ」
「ふうむ、なるほど」私は思わず、納得させられてしまったような気がした。「じゃあちょっと私も、それを練習させていただくことにしますよ」
そう言った上で私はふと気づき、改めて仁藤に礼を述べたのだ。
「いや、どうもありがとうございます。わざわざ私のお訊ねさせていただいた疑問に、ご丁寧にお答えいただきまして」
「いいえ、こちらこそ。むしろ私どもの方が、お礼を申し上げるべき立場なのでしょう。先端摩擦法の説明会で射精時の精液の受け止め方についてもお話をさせていただくべきだという、実に有意義なご指摘をいただいたわけですので」
（「より上の悦楽を求めて」より）
（「先端摩擦法」には弊害が伴う可能性があります。
「ペニスの先をこする弊害」の頁を、併せてご高覧ください）
『より上の悦楽を求めて』には、より気持ちのいい男性の自慰や性交のやり方の講習が描かれています。
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