ペニスの先をこする弊害 [恋愛小話]
私が最初にその兆しに気がついたのは、久しぶりで里美とセックスをしていた時のことだった。
なんだかその日の里美とのセックスが、やや物足りなく感じられてしまったのだ。
里美の陰部に自分のペニスを挿入してピストン運動をしていても、そのことによって得られる快感が少し味気なく思えてしまったのだ。
おそらくそのピストン運動によって得られる快感が、先端摩擦法による自慰で得られるものほどには強くなかったからなのだろう。
そのせいかこの時、私はなかなか射精に至ることができなかった。
だから延々とピストン運動を続けていたら、里美に文句を言われてしまったのだ。
「そんなにずっといつまでも続けられちゃうと、私の体が壊れちゃうよ」と。
だからこの日の私は結局、射精をすることができずじまいに終わってしまった。
そのせいで私はこの日、射精による満足感を味わえないまま満たされない思いが残ってしまったのだ。
その時々の体調や気分など、何らかの理由で射精が困難になってしまうことは決してないわけじゃない。
だから私もその日には「たまたま今日は、そういう日なのだろう」としか思わずにいた。
ところがしばらく間があいて、また次に里美とセックスをした日――
その日も私は、いつまでも射精をすることができなかったのだ。
そしてさらにまた、その次に里美とセックスをした日にも。
こう何回も続いた以上は、もはや決して認めないわけにはいかないのだろう。
どうやら私は普通のセックスで、なかなか射精に至らない遅漏になってしまったようだと。
そして、もう一つ。
これもおそらく、ほぼ間違いなく言うことができるのではないだろうか。
私がそうなってしまった裏には、あの悦楽同好会で教わったことが関係しているようだと。
おそらく先端摩擦法になどによる強い刺激に慣れすぎてしまったがため、普通のセックスでのピストン運動による刺激だけでは射精に至りにくくなってしまったらしいと。
だとしたら、これは悦楽同好会に対して文句を言うべきなのだろう。
そしてもし、この問題に対処する手だてを何か悦楽同好会が知っているというのであれば――ぜひとも早くそれを聞き、何らかの手を打たなければ。
そして里美とのセックスでも以前のように、ちゃんと射精に至ることができるようにならなければ――
そう気がはやってしまった私は、さっそく仁藤に連絡をとった。
そして仁藤に事情を話し、「こういう場合は、いったいどうすればいいんですか」と問いただしたのだ。
すると仁藤は、いぶかしそうな口ぶりになってこう言った。
「確かに先端摩擦法などには二つほど、問題点があるようです。ただしそれらの問題は、よほど激しくやりつづけないと生じにくいものでしてね。先端摩擦法などによる自慰をしはじめたばかりの人には、生じないはずだと思っていたのですけど。もしかして鱒尾さんの場合はよほど頻繁に、しかも激しく先端摩擦法などをしてこられたのでしょうか」
そう訊かれたら私としては、答えるのが恥ずかしく感じられてしまう。
だが今は、正直に答えなければならないのだろう。
そう考えて腹をくくった私は、だから本当のことを話した。
「ええ、まあ、そうですね。確かに頻繁だったと言うべきなのかもしれません。やり方を教わってからというもの、ほとんど毎日のようにしていましたので」
「先端摩擦法などによる自慰のしすぎで生じる可能性がある問題は、二つあると考えられています」私が感じさせられていた恥ずかしさを、軽減しようと気をつかってくれてのことだろうか。私の自慰の頻度に対しては言及を避け、仁藤は話を先へ進めた。「そのうちのまず一つめは、ペニスをこすりすぎたせいでペニスの皮膚が赤むけしたようにはがれてしまうというものでしてね。そうなりますと風呂に入った時など、その傷口に水分がしみて痛く感じられてしまうんですよ。ただしこちらは普通の皮膚の赤むけと同じものですから、決してそれほど深刻な問題だというわけではありません。しばらく自慰をせずに我慢をしていたら、長くても数日くらいで治ってしまいます。治ったばかりの時に気がせいてすぐ自慰をしてしまうと、また皮膚が赤むけしてしまいやすいのですが」
「かさぶたを無理にはがしてしまうと傷が治るのが遅れてしまうのと同じですね」私も思わず、うなづいてしまう。「完全に治ってくれるまでの間は、そっとしておいたほうがいいわけですな」
「そしてもう一つの問題というのが今回、鱒尾さんにも生じたやつです。これまで二回の説明会で、私は何度か言いましたでしょう。ペニスをどういうふうに刺激してやると気持ちよく感じるのかということは、その人がどういう自慰をしてきたかということによって変わってくる場合があるんですよって。でもって先端摩擦法ですとかデカパン法による自慰はペニスの先っぽに、かなりの強い刺激が与えられますからね。それらを長くつづけていると、それと同じくらいの強い刺激が与えられないかぎり射精に至りにくくなってしまう可能性があるらしいんですよ」
(「より上の悦楽を求めて」より)
『より上の悦楽を求めて』には、より気持ちのいい男性の自慰や性交のやり方の講習が描かれています。
下にある本の画像をクリックすると、その本に関するAmazon.co.jpの該当頁が表示されます。
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なんだかその日の里美とのセックスが、やや物足りなく感じられてしまったのだ。
里美の陰部に自分のペニスを挿入してピストン運動をしていても、そのことによって得られる快感が少し味気なく思えてしまったのだ。
おそらくそのピストン運動によって得られる快感が、先端摩擦法による自慰で得られるものほどには強くなかったからなのだろう。
そのせいかこの時、私はなかなか射精に至ることができなかった。
だから延々とピストン運動を続けていたら、里美に文句を言われてしまったのだ。
「そんなにずっといつまでも続けられちゃうと、私の体が壊れちゃうよ」と。
だからこの日の私は結局、射精をすることができずじまいに終わってしまった。
そのせいで私はこの日、射精による満足感を味わえないまま満たされない思いが残ってしまったのだ。
その時々の体調や気分など、何らかの理由で射精が困難になってしまうことは決してないわけじゃない。
だから私もその日には「たまたま今日は、そういう日なのだろう」としか思わずにいた。
ところがしばらく間があいて、また次に里美とセックスをした日――
その日も私は、いつまでも射精をすることができなかったのだ。
そしてさらにまた、その次に里美とセックスをした日にも。
こう何回も続いた以上は、もはや決して認めないわけにはいかないのだろう。
どうやら私は普通のセックスで、なかなか射精に至らない遅漏になってしまったようだと。
そして、もう一つ。
これもおそらく、ほぼ間違いなく言うことができるのではないだろうか。
私がそうなってしまった裏には、あの悦楽同好会で教わったことが関係しているようだと。
おそらく先端摩擦法になどによる強い刺激に慣れすぎてしまったがため、普通のセックスでのピストン運動による刺激だけでは射精に至りにくくなってしまったらしいと。
だとしたら、これは悦楽同好会に対して文句を言うべきなのだろう。
そしてもし、この問題に対処する手だてを何か悦楽同好会が知っているというのであれば――ぜひとも早くそれを聞き、何らかの手を打たなければ。
そして里美とのセックスでも以前のように、ちゃんと射精に至ることができるようにならなければ――
そう気がはやってしまった私は、さっそく仁藤に連絡をとった。
そして仁藤に事情を話し、「こういう場合は、いったいどうすればいいんですか」と問いただしたのだ。
すると仁藤は、いぶかしそうな口ぶりになってこう言った。
「確かに先端摩擦法などには二つほど、問題点があるようです。ただしそれらの問題は、よほど激しくやりつづけないと生じにくいものでしてね。先端摩擦法などによる自慰をしはじめたばかりの人には、生じないはずだと思っていたのですけど。もしかして鱒尾さんの場合はよほど頻繁に、しかも激しく先端摩擦法などをしてこられたのでしょうか」
そう訊かれたら私としては、答えるのが恥ずかしく感じられてしまう。
だが今は、正直に答えなければならないのだろう。
そう考えて腹をくくった私は、だから本当のことを話した。
「ええ、まあ、そうですね。確かに頻繁だったと言うべきなのかもしれません。やり方を教わってからというもの、ほとんど毎日のようにしていましたので」
「先端摩擦法などによる自慰のしすぎで生じる可能性がある問題は、二つあると考えられています」私が感じさせられていた恥ずかしさを、軽減しようと気をつかってくれてのことだろうか。私の自慰の頻度に対しては言及を避け、仁藤は話を先へ進めた。「そのうちのまず一つめは、ペニスをこすりすぎたせいでペニスの皮膚が赤むけしたようにはがれてしまうというものでしてね。そうなりますと風呂に入った時など、その傷口に水分がしみて痛く感じられてしまうんですよ。ただしこちらは普通の皮膚の赤むけと同じものですから、決してそれほど深刻な問題だというわけではありません。しばらく自慰をせずに我慢をしていたら、長くても数日くらいで治ってしまいます。治ったばかりの時に気がせいてすぐ自慰をしてしまうと、また皮膚が赤むけしてしまいやすいのですが」
「かさぶたを無理にはがしてしまうと傷が治るのが遅れてしまうのと同じですね」私も思わず、うなづいてしまう。「完全に治ってくれるまでの間は、そっとしておいたほうがいいわけですな」
「そしてもう一つの問題というのが今回、鱒尾さんにも生じたやつです。これまで二回の説明会で、私は何度か言いましたでしょう。ペニスをどういうふうに刺激してやると気持ちよく感じるのかということは、その人がどういう自慰をしてきたかということによって変わってくる場合があるんですよって。でもって先端摩擦法ですとかデカパン法による自慰はペニスの先っぽに、かなりの強い刺激が与えられますからね。それらを長くつづけていると、それと同じくらいの強い刺激が与えられないかぎり射精に至りにくくなってしまう可能性があるらしいんですよ」
(「より上の悦楽を求めて」より)
『より上の悦楽を求めて』には、より気持ちのいい男性の自慰や性交のやり方の講習が描かれています。
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