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ペニスの先をこする快感 [恋愛小話]

私は何日もの間、ほとんど毎日のように先端摩擦法での自慰を続けてしまった。
 そしてすっかり、先端摩擦法での自慰にはまってしまったのだ。
 確かにピストン抽送法よりも先端摩擦法のほうが気持ちいいようだと、思い知らされてしまったのだ。

 ペニスの柄を手で握ってピストン抽送法での自慰を始めると、やがてペニスがぼんやりとした感じで気持ちよくなってくる。
 その状態でピストン抽送法を続けていると、ぼんやりとした気持ちのよさが少しずつ高まっていって、最終的にはオーガズムに達し射精に至るのだ。
 それはそれで、確かに気持ちがいい。
 そして私は初めて自慰を覚えた十代の頃から今まで、このやり方での自慰しか知らなかった。
 だから「自慰とは、こういうものなのだ。そして自慰の気持ちよさとは、こういうものだ」とばかり、てっきり思いこんでしまっていたのだ。

 だが先端摩擦法による自慰の気持ちよさは、それとはかなり様子が違っている。
 ピストン抽送法での自慰よりも、はっきりとした気持ちのよさを味わうことができると言えそうな気がする。
 だから私は、今までのピストン抽送法での自慰とは全く異なる新しい世界をかいま見せられたような気がしたのだ。

 先端摩擦法でペニスの先っぽをこすりはじめると、わりとすぐ、かなりはっきりとした気持ちのよさを味わえる場合が多い。
 しかし時おり、こすりはじめた直後には、あまりはっきりとした気持ちのよさを感じられないこともある。
 とはいえそれは、なにも先端摩擦法だけに限った話ではない。
 ピストン抽送法による自慰でも、始めてからしばらくの間はほとんどと言っていいほど気持ちよく感じられない時があるのだ。
 おそらくあれは体調か、もしくは自分の気の持ちようが原因で、そうなっているのではないだろうか。

 だがそのような時であっても、先端摩擦法でペニスの先っぽをこすりつづけていると、わりとすぐ気持ちよく感じられるようになってくる。
 そしてひとたび、気持ちよく感じられはじめるようになったら――先端摩擦法での自慰で感じることのできる気持ちのよさは、ピストン抽送法によるそれとは様子が大きく違っているのだ。
 それは決して、ピストン抽送法による自慰で感じることのできるような「ぼんやりとした」ものではない。
 ペニスの先っぽのあちこちが直に刺激されることによる、かなりはっきりとした気持ちのよさなのだ。

 たとえば右手の人差し指と中指ではさんだペニスを振りながら、その本当に先っぽの尿が出てくる穴のあたりに左手の手のひらを軽くあてがったとしよう。
 するとまるで女性にフェラチオをしてもらい、尿が出てくる穴のあたりを優しく舐めてもらっている時のような快感を味わうことができる。
 それは非常に気持ちがよくて、いつまでもそのままその快感を味わいつづけていたいような気もしてきてしまうのだ。
 だがしかし、その快感には激しさはない。
 われわれ男を射精に導くような強い快感とは、少し様子が異なっている。
 だからその気持ちよさを味わいつづけていると、やがて気分がさらに高ぶってきてしまい、男を射精に導くようなもっと激しい快感も味わいたくなってくるのだ。

 そこで左手の位置を少しずらして、ペニスの亀頭のあたりが手のひらに当たるようにしたとしよう。
 しかもペニスが左手の手のひらに、今までよりも強く押しつけられるようにしたとしよう。
 するとそれまでとはまた別の、より激しくて強い快感を楽しむことができるようになるのだ。
 そしてどうやら私の場合、亀頭のへりのあたりを強くこすっていると射精に至りやすいらしい。
 そのやり方での刺激をつづけていると、やがて間もなく絶頂に達して精液がペニスの先端からほとばしり出てくることになるのだ。

 ひとたび先端摩擦法による自慰のほうになじんでみると、なんだか今まで続けてきたピストン抽送法のほうはまだるっこしく感じられてきてしまった。
 さらに言うなら先端摩擦法による自慰は、実際に女の人と行なうセックスよりも気持ちがいいような気すらしてしまう。
 なにしろ自分のペニスのうちどのあたりをどれくらいの強さでどのように刺激するのか、その時々の気分に応じて自由に選ぶことができるのだ。
 少なくとも「実際の女性とのセックスよりも自由度が高く、自分本位にやることができる」とは言えるはずなのではないだろうか。
(「より上の悦楽を求めて」より)

(「先端摩擦法」には弊害が伴う可能性があります。
ペニスの先をこする弊害」の頁を、併せてご高覧ください)

『より上の悦楽を求めて』には、より気持ちのいい男性の自慰や性交のやり方の講習が描かれています。
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より上の悦楽を求めて  まじめな性愛物語

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