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射精の快感のしくみ [恋愛小話]

「それから勃起していない状態でする射精には、勃起した状態でする射精に比べてもう一つ劣っている点があります。それは射精の瞬間に味わうことのできる快感が、勃起した状態での射精よりも小さいという点なんですね」
 そして仁藤は、詳しい説明にとりかかったのだ。

「おそらくそれはわれわれのペニスのしくみが関係していて、そうなっているんじゃないかと思うんですよ。ペニスが勃起している時って中の海綿体が膨張していて、尿道を狭く押しつぶす形になっているのではないでしょうか。そう考えられる証拠に、勃起してしまっている時は用を足そうとしても尿が出づらいですよね。でも少し時間が経って勃起が収まれば、普通に尿が出てくるようになりますでしょう。あれってきっと勃起している間は尿道が狭く押しつぶされてしまっているため、その中を尿が通りにくいんじゃないのかなって気がするんです」

 そんなふうに前おきをした上で仁藤は、説明を続ける。
「そして射精の瞬間には、粘り気のある精液が尿道の中を無理やりに通ってくることになるわけですよね。その時に尿道が狭く押しつぶされていればいるほど、その中を精液が無理やりに通りぬけることによってペニスが刺激されるのではないでしょうか。そしてその刺激が私たちに、射精の瞬間の快感をもたらしてくれるのじゃないかと思うんです。でもってそれは、おそらく私たちが何か飲み物を飲む時に感じる快感と共通する原理によるものなのだろうと思うんですよ」

 そう言って仁藤は、われわれが飲み物を飲んだ時に満足感を抱くしくみを解き明かしてみせた。
「私たちは生ぬるい水を飲んでも、あまり美味しく感じませんよね。でも冷たく冷えた飲み物や熱い飲み物を飲むと、美味しく感じられるじゃないですか。それから炭酸飲料が好きな人でしたら、炭酸飲料を飲んでも美味しく感じるわけですし。あれは飲み物を飲む時に、その冷たさや熱さや炭酸が喉を刺激するからなのではないでしょうか。だから飲み物の冷たさや熱さや炭酸の刺激が適度に強いと、その飲み物が美味しく感じられるのだろうと思うんです」

 そしてその上で仁藤は、話を射精の時の快感に戻す。
「それと同じように射精の瞬間は、狭くなっている尿道の中を精液が無理やりに通りぬけることでペニスを刺激するため、気持ちよく感じられるのではないでしょうかね。ですからペニスが勃起していない時には尿道が狭く押しつぶされていないため、その中を精液が通ってもあまり気持ちよく感じられないんじゃないのかなって気がするんです」

 そんな説明をした上で仁藤は、われわれに打ち明けた。
「そのせいかペニスが勃起していなくても先端摩擦法で先っぽの裏側をこすれば射精することはできるんですけど、その射精の瞬間にはそれほど気持ちよくは感じられません。ただしそれまでペニスをこすっている間、まるでフェラチオをしてもらっている時のような気持ちよさは楽しめます。それから射精をした後の充実感といいますか、『すっきりした感じ』も味わうことができますし。でもって何らかの理由で完全な勃起ができずにいる時には、それだけでも充分にありがたく感じられるはずだと思うんですよ」

 そう言って仁藤は、まるでわれわれの考えをうかがおうとするかのように私たちの顔を見まわしたのだ。
 確かに私にも、仁藤の言うことには一理あるように感じられる。
 何らかの理由で勃起ができない時には、ペニスの先端がこすられる気持ちよさを味わえただけでも満足するべきなのに違いない。
 ましてや射精に至ることができて「すっきりとした感じ」まで味わうことができるなら、決してそれ以上のぜいたくは望むべきでないのに違いない。
 たとえ射精をする瞬間の、あの思わず「うっ」と声を漏らしてしまいそうになる快感こそは味わえないのだとしてもだ。

 そんなふうに私が考えてみていた時、仁藤が再び口を開いて言葉を続けた。
「とはいえもちろん、それは何かの理由で完全な勃起ができない時の話です。完全な勃起ができる時には先端摩擦法でも、射精の瞬間にピストン抽送法と同じ強さの快感を味わうことができますからね。その瞬間よりも前に味わうことのできる快感は、先端摩擦法のほうがピストン抽送法よりも大きいかもしれないわけですし。ですからぜひともなるべく多くの男の人たちに、この先端摩擦法というやり方についても知っていただきたいと思いまして。そのため私ども悦楽同好会としましては、この今日のようなご説明の機会を設けさせていただいているのです」

 そして仁藤は私たち五人の参加者に、こう言って説明を締めくくったのだ。
「どうか今日ここへ来てくださった皆さんも、ぜひともこの先端摩擦法を試してみてください。そしてピストン抽送法と比べてみて、どちらが気持ちよく感じられたか教えていただけると嬉しいのですが。そうしていただけましたら私どもとしましては、そんな皆さんのご意見を今後の活動のための参考にさせていただきたいと思いますので」
(「より上の悦楽を求めて」より)

(「先端摩擦法」には弊害が伴う可能性があります。
ペニスの先をこする弊害」の頁を、併せてご高覧ください)

『より上の悦楽を求めて』には、より気持ちのいい男性の自慰や性交のやり方の講習が描かれています。
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より上の悦楽を求めて  まじめな性愛物語

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