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不十分な性教育を補う [恋愛実用書などで学ぶ]

坂爪真吾+藤見里紗『誰も教えてくれない大人の性の作法』光文社新書

 本書の冒頭ちかくでは、次のように書かれています。

1992年は、日本の「性教育元年」でもありました。80年代後半に起きたエイズパニックの影響で学習指導要領が改訂され、小学校の保健と理科の教科書に「性に関する指導」が盛り込まれるようになりました。5年生の理科の授業ではヒトの発生を扱うようになり、保健の教科書には思春期における身体の発達を説明するため、男女の全裸のイラストが掲載されました。

 でも少し先の部分では、次のようにも書かれています。

以前から指摘されていた性教育の「アキレス腱」=最大の弱点が浮き彫りになってきています。その弱点とは、「快楽のための性」を教えられないことです。生理や妊娠の仕組みなどの「生殖のための性」、避妊や感染症といった「セックスに伴うリスク予防」については饒舌に語れますが、若い世代にセックスの面白さや楽しさ、コミュニケーションの奥深さを伝えることに関しては、事実上のお手上げ状態です。

 学校での性教育だけでは、ありません。本書ではさらに、次のようにも書かれています。

高校までは、恋愛やセックスは原則禁止だったり、手の届かない高嶺の花だったりしたはずなのに、卒業すると急に「できて当然」「できないやつはダメ人間」という必須科目になる。しかし当然ながら大多数の人にとっては、恋愛やセックスを練習する場もなければ、知識を学ぶ場もない。そうした状況下で、いきなり実践に臨むのは無理に決まっています。学生が性教育で教わるのは、性感染症の予防や妊娠の仕組みなどの医学的な知識だけ。

 つきあい始めた彼女のことが好きで、できることならセックスもしたい。でも、どういうふうにやればいいんだろう。セックスできることになった時、はたしてうまくやれるかな――私も若い頃、そんなふうに頭を悩ませていたものでしたっけ。

 そこで本書では、「大人の性教育基礎講座」が繰り広げられます。
 たとえば共著者の片割れである藤見里紗は、次のように語っています。

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