SSブログ

引き延ばされた学生時代.5 再び大学へ [塾頭の経歴]

 そんな私は結局、法政大学を卒業した翌年に再び大学へ入学することにしました。
 開校したばかりの放送大学に、第一期生として入学したのです。
「世の中を良くして皆が幸せになるために役立てるような文章を書くためには、もっと世の中のしくみについて詳しく学んでおきたい」と思ったからです。

 放送大学では卒業を目指す「全科履修生」と、一部の講義だけを受講する「選科履修生」の両方を募集していました。
 このうち「全科履修生」の方になって必要な単位を全て取得すると、普通の大学を卒業した人と同じように「学士」として認められます。
 そして私は、この「全科履修生」になったのです。

 放送大学では、多くの講義がTVやラジオなどの放送で行なわれます。
 そのため、「放送大学」という名前がつけられているわけですね。
 ただし、普通の大学と同じように実際の教室へかよって受ける授業もあります。
 年に何度か、レポートも提出しなければなりません。実際の教室へ行って受ける、期末試験もあります。
 しかも「全科履修生」の場合は卒業論文を書いて提出し、指導教官による審査を通らなければ卒業が認められません。

 TVやラジオで行なわれる授業は、学生が自分の家などで見たり聞いたりできます。わざわざ、実際の教室まで出かけて行く必要はありません。
 しかも授業の放送を録画や録音しておけば、都合のいい時間に見たり聞いたりできるわけです。
 実際の教室へかよって受ける授業は、それほど数が多くありません。
 ですから放送大学は、働いている人でも学生になることができるわけです。

 しかも放送大学は、普通の大学よりも入学金や授業料が安く抑えられていました。その面でも、働いて学費を稼ぎながら勉強したい人たちにとって好都合だと言えるでしょう。
 だから私も放送大学であれば、自分でアルバイトをして学費と生活費を稼ぎながら勉強できるなと考えたのです。

 普通の大学は学部や学科に分かれていますが、放送大学には学科がありませんでした。
 そのかわり「産業と技術」ですとか「生活と福祉」や「発達と教育」などと、いくつかの専攻が設けられています。
 その中で、私は「社会と経済専攻」を選びました。

 この「社会と経済専攻」では、法律学や政治学や経済学や社会学などの講義が用意されています。
「世の中を良くして皆が幸せになるために役立てるような文章を書くため、もっと世の中のしくみについて詳しく学んでおかなければ」と考えていた私は、それらの講義を受けたいと思ったのです。

 ところで私は、すでに法政大学を卒業した「学士」の立場です。そんな私が放送大学にも入学すると、いわゆる「学士入学」になります。
 学士入学なら大学に再入学しても、卒業するまでに取得するべき単位の数が普通の学生の半分ほどなので、普通は二年間で卒業できるはずです。

 しかし放送大学は私が入学した年に開校した後、少しずつ講義や授業が増やされていく予定になっていました。そして卒業論文を審査する体制は、開校から四年目にならないと用意されないのだそうです。
 したがって初年度に入学した人は、たとえ学士入学であっても四年後でないと卒業できないとのことでした。
 これは急いで卒業したい人には、少し不都合に感じられる事情だったのかもしれません。
 しかし私にとっては幸い、それほど気になりませんでした。

 なにしろ私の場合、卒業を急がなければならない理由は特にありません。
 しかも初年度に学士入学した人は、普通なら二年間で取得できるはずの単位数を四年間かけてゆっくり取得すればいいことになります。
 つまり一年間に取得するべき単位の数が、普通の場合の半分になるわけです。
 ならば働いて学費や生活費を稼ぎながらでも充分、やっていけるんじゃないのかな――
 私としては、そんなふうに思えて安心できたという側面もあったのです。

 しかも私の場合、すでに一度は法政大学を卒業した「大卒」の立場です。
「大学を卒業した」という名目がほしくて放送大学に入学するのではありません。
 あくまでも純粋に、自分がやりたい勉強をするため入学するのです。
 放送大学に「全科履修生」として入学しても、別に必ず卒業を目指さなければならない理由はありません。自分の知りたかったことが充分に学べたと思える状態になったら、その時点で中退してしまってもいいのです。

 しかも放送大学に在籍している四年間、卒業するのに必要な数の講義だけしか受講できないわけではありません。自分が頑張りさえすれば、それ以上の数の講義を受講することもできるのです。
 卒業するためではなく勉強するために入学する私のような者にとっては、それはむしろ喜ぶべきことだったと言えるのでしょう。
(「好きな生き方を選べる好機」より)

 私の放送大学への入学については『22才、生き方を探す旅』に詳しく書かれています。
下にある本の画像をクリックすると、その本に関するAmazon.co.jpの該当頁が表示されます。

22才、生き方を探す旅: ドラマティックな恋愛実話

[読者へのお願い]
「人気blogランキング」に参加しています。
 上の文章を読んで「面白かった」とか「参考になった」などと評価してくださる方は、下の行をクリックしてくださると幸いです。
「人気blogランキング」に「幸せになれる恋愛ノウハウ塾」への一票を投じる

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:恋愛・結婚

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。