SSブログ

愛は地球を救わない.原14-4 [恋愛小話]

「本当に先生、かまわないんですか。そんな取りかえしのつけようがないことを、ここで言いきってしまったりなんかして。だって先生には、もっと別の道を選ぶことだってできたはずだっていうのに。たとえば新しく生まれてきたあの子たちが皆、やはり先生の感覚というか神経につながっていたと考えてみて下さいな。そしてあの子たちが女の人を襲って産ませた子供も皆、やはり先生の神経につながっていたとして御覧なさい。その場合はいくら先生だって、とても私のことを考えている暇なんかありませんよ。あの子たちのうちの誰かが女の人を襲うたび、先生も性的な快感を覚えることになるわけだもの。そうなってしまっていたら先生は休みなく、のべつまくなし快感に浸っていることができたはずなんじゃないかしら。あの子たちはすぐに数が増えるだろうし、いつでもあの子たちのうちの誰かが女の人を襲っているはずでしょうから」

「なるほどね、そいつは考えてもみなかったな。もしかすると確かに、それは男にとって究極の夢というか願望なのかも知れないぜ。女の人と違って男は普通、性的な快感を連続して味わいつづけることができないからな」
「えっ、何ですって。それは一体、どういうことかしら」

「女の人は誰かに続けて抱かれれば、くりかえし快感を得ることができるんじゃないのかい。でも男の側は体のしくみ上、それが不可能なんだ。男が性的な絶頂感を味わえるのは、精液が尿道を通って外へ飛びだす時だけだからね。そりゃあ体力の消耗を考えに入れなければ、くりかえし一日に何度も女の人を抱くことはできるだろう。だけど何度も続けていると、やがて精液を作るのが追いつかなくなってしまう。そうなるとたとえ女の人を抱いて射精をしても、決して最初のような快感は得ることができなくなってしまうのさ。だから男は普通、決して一日に何度も性的な絶頂感を味わうことができないんだよ。それ以前の問題として、もちろん一日に何度も女の人を抱くだけの体力が続かないということもあるわけだしな。性交というのは男にとって、かなり体力を費やしてしまう営みなんだから」

「はあ。そうやって言われてみると、男の人も大変なのね。こと性に関しては女が受け身だといわれ、その大変さだけが声高に唱えられているようだけど。男の人には生理がないし、妊娠や出産の辛さからも免れているしって」

「その分だけ性的な快感という意味では、男の方が分け前を減らされてしまっているのかも知れないね。だけどさっきの話が現実に可能なら、それこそ男にとっては究極の至福なのかも知れないぞ。自分で性交や射精をしなくても、あのペニスたちが女の人を襲うたびに快感を得ることができるっていうんだったらさ。その場合は精液を作るのが間に合わないなんていう心配をする必要もなく、それこそ一日中だって快感を味わいつづけることができるのだろうからな。それに体力だって、消耗せずに済むのだろうし」

「でも先生は、それを選びはしなかったんだわ。それを先生が願いさえすれば、そんな究極の快感を四六時中いつでも味わいつづけていられたかも知れないっていうのに」

「確かにちょっと、気持ちがひかれるものを感じないと言ったら嘘になるだろうな。だけど私は、そんな至福を望んだりなんか決してしないよ。そんな受け身の快感なんかに満足していられるとは、どうしても思えないからね。いつでも常に性的な快感ばかり味わっていたのでは、恍惚とするあまり意識を失ってしまうんじゃないかという気もするし。でも至福だとか快感だとか幸せというのは、それを自分ではっきりと自覚していなければ意味がないんじゃないのだろうか」
「えっ、それはどういうことかしら。自覚のない幸せに意味がないというのは」

[読者へのお願い]
「人気blogランキング」に参加しています。
 上の文章を読んで「面白かった」とか「参考になった」などと評価してくださる方は、下の行をクリックしてくださると幸いです。
「人気blogランキング」に「幸せになれる恋愛ノウハウ塾」への一票を投じる

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:恋愛・結婚

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。