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強姦の辛さを赤裸々に [恋愛実用書などで学ぶ]

小林美佳『性犯罪被害にあうということ』朝日文庫

 有川浩『三匹のおっさん』をご紹介した当塾の「強姦未遂の直後の心理」の頁で私は、次のように書きました。

 私は男性ですし、強姦されかけたこともありません(女性に襲われて無理やりに唇を奪われてしまったことは、ありますが)。
 ですから強姦されかけた女の人の心理を、正しく推測することはできません。
 これはやはり、そういう忌まわしい経験を実際に持っている人にしか本当のところはわからないのでしょうね。

 小林美佳『性犯罪被害にあうということ』は、強姦されてしまったことによる辛さを被害者が赤裸々につづった本です。
 2008年に朝日新聞出版から単行本が出版され、2011年に朝日文庫の一冊としても出版されました。2013年には、Kindle版の電子書籍も出版されています。

 率直に言って、本書の文章は決して上手くありません。
 すらすらと読めはするのですが、著者の個人的な思いが詳しい説明もないまま提示されている部分などもあり、必ずしも読者の腑に落ちるように書かれてはいなかったりするのです。
 しかし著者は本職のもの書きではありませんので、これはしかたがないのでしょう。
 辛い体験を私たちが読める形で提示してくれた著者には、素直に感謝したいと思います。

 著者に関して私が「強姦されてしまったことも辛かっただろうけど、こちらも大変だったようだな」と思わされたのは、著者の両親について書かれている部分を読んだ時でした。
 同書には、たとえば次のように書かれている箇所があります。

 どんなに理不尽なことであろうと、親の言うことが絶対だった。ましてや嘘をついたり、他人に迷惑をかけるようなことをすると、徹底的に怒られる。父のお説教は、何時間にも及び、母のお叱りも妥協を知らなかった。
 小さい頃は、言うことを聞かないと手足を縛られて押入れに閉じ込められたり、家から閉め出されたり。
 泣こうがわめこうが、反省して謝るまでは、許してもらえない。
「口の利き方が悪い!」
と、殴られたりもする、たとえそれが父の聞き間違いであったとしても、謝るのは子どものほうだ。
 万が一、それを指摘して、
「お父さん、謝ってよ」
 なんて言った日には、
「親に向かって謝れとは何事だ!?」
 と、手が飛んできて、その後延々とお説教をされる。
 もちろんその間、正座。

 これが本当なのだとすると、かなりひどい親だったと言わざるをえないようですね。

 ただし当塾は、強姦について語るための場ではありません。親子関係について語るための場でも、ありません。あくまでも「恋愛ノウハウ塾」です。
 その当塾で「恋愛実用書などで学ぶ」として取り上げる以上、同書の中から「恋愛について考えるべき話題」もご紹介しておくことにしましょう。
 同書の終わり近くには、著者の母親が言ったという次のような科白が書かれています。

女の子は、誰かと一緒に幸せになるまでは、自分のことなんて、隠してでも、精一杯良く見せていたほうが、楽だと思うのよ。美佳にもそうやって幸せになってほしい。

「自分のことなんて、隠してでも、精一杯良く見せていたほうが、楽だ」なんて、つまりは「嘘をつけ」と言っているわけで、これもひどい科白だと言わざるをえないでしょう。
 しかし一部の女の人たちに、そう思わせていたのだとしたら、それは男性の側にも原因があったのだろうと思われます。
 ぜひとも私たちは一度、そのことをじっくりと考えてみるべきなのではないでしょうか。

下にある本の画像をクリックすると、その本に関するAmazon.co.jpの該当頁が表示されます。

性犯罪被害にあうということ (朝日文庫)


性犯罪被害にあうということ

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