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別れをのりこえる話 [恋愛小説などから学ぶ]

ステファニー・メイヤー『トワイライトII』上・下 小原亜美・訳 ヴィレッジブックス

10代の性欲の話として読む」の頁に続いて、この頁では「〈トワイライト〉シリーズ」の第二作である『トワイライトII』をご紹介させていただきます。
 この『トワイライトII』の原題は'Twilight II'ではなく、'New Moon'です。月の満ち欠けのうちの「新月」、つまり月が見えない夜のことですね。
 もしも原著を読もうとお考えの方は、この'New Moon'という原題の方でお探しください。

 この『トワイライトII』は、一言で言うと「別れと失恋の話」です。
 これに先立つ第一作『トワイライト』で恋仲になったはずの男主人公エドワードが『トワイライトII』の冒頭ちかくでヒロインのベラと別れ、家族ごと引っ越していってしまうのです。
『トワイライトII』の第三章に出てくる「新月」という言葉は、エドワードに去られてしまった時のベラの心の闇を象徴しているように思われます。

 恋人や結婚相手が去っていってしまった場合、男性は年単位で落ちこみ続ける人もいます。
 それに比べて女性は、わりと短期間で立ち直る人もいると言われています。
 しかしベラは何か月もの間、「まるで抜け殻」のようになってしまいます。
 私を含め、同じような体験をしたことがある人にとって『トワイライトII』は、とても身につまされてしまう話なのではないでしょうか。

「まるで抜け殻」のベラは、友だちとも上手くつきあえないようになってしまいます。
 しかし男友だちのジェイコブと会うことで、気がまぎれるようになっていきます。
 シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』ではロミオが追放になった後、パリスがジュリエットと結婚しようとします。英文学が好きなベラはジェイコブをパリスになぞらえて、次のように考えたりします。

パリスにもっと魅力があったら?
 ジュリエットの友だち――いちばんの大親友だったらどうなるだろう。ロミオとの破滅的な関係について打ち明けられるただひとりの相手、自分をほんとうの意味で理解して、ちょっとは人間らしい気持ちを取りもどさせてくれる唯一の相手だとしたら。辛抱づよく、おおらかな人だったら。自分の面倒を見てくれて、彼なしには生きていかれないとジュリエットが悟っていたら? そしてパリスが本気でジュリエットを愛し、しあわせになってほしいと願っていたら……。
 ジュリエットがパリスを愛していたらどうなる? ロミオとはちがう。もちろん、ロミオに対する愛とはまるでちがう。でも、パリスにもしあわせになってほしいと願うくらいに愛していたら……。(中略)

 ロミオがほんとうに姿を消して二度ともどってこないなら、ジュリエットがパリスの求愛を受けいれようが受けいれまいが、かまわないのでは? ジュリエットは残された余生を静かに送ろうと努力するべきなのかも。それがジュリエットの手にできる、いちばんしあわせに近いものかもしれない。

 ――このようなベラの考えも、無理のないものだと感じられるのではないでしょうか。
 しかしベラは失恋でやけになり、わざと「無茶なことやばかな真似」をしようとします。運動神経が致命的に欠けているのに単車に乗って何度も怪我をしたり、高さが「三十メートルはある」崖の上から海へ飛びこんだりするのです。
 この点は私と違っているな、と感じました。
 私は強く愛していた相手が去っていった時、やけになって「無茶なことやばかな真似」をしたりせず、前向きな努力をしようと努める場合が多いからです。

 たとえば当塾に掲載された「究極の愛を掴んだ31才」などに登場するナツヨが「ゴトウ先輩は私のために役立とうとしてくれるから、ゴトウ先輩と一緒にいると私は頼ってしまう。それでは自立できないので、しばらくゴトウ先輩とは会わずにおく」と言って去っていった時。
 私は「ナツヨと会わなくても彼女のためにできること」をやろうと試みました。
 あるいは別の女性と別れた時も、私は自分の力を高めようと努力を重ねたのです。

 それから当塾に掲載された「10年ごしのプロポーズ」などに登場するミサトに私の欠点を指摘された時には、何年もかけて自分の欠点を改善するべく努力しました。
 その時のことは当塾の「ツグミへの手紙.~49」から「ツグミへの手紙.59」にかけて詳しく書かれています。
 もしもご興味を感じてくださった方は、そちらを併せてご高覧ください。

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トワイライトII 上 (ヴィレッジブックス)


トワイライトII 下 (ヴィレッジブックス)


ロミオとジュリエット (新潮文庫)


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