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私に電話をかけないで [楽しく雑穀ダイエット]

 電話をかけることは、滅多にない。一年間に数回くらいだけだろう。――当塾の「安上がりな生活.2」の頁には、そう書かれています。
 実をいうと私は、電話が苦手なのです。
 そしてそれは私が、もの書きだからです。
 もの書きの中には、電話がとても苦手だという人がいるのです。

 自分が伝えたい内容を読者の人たちに正確に理解してもらえるよう、わかりやすく表現するためには、それに適した文章の組み立てを選ぶ必要があります。
 たとえば「Aのことを書くためには、その前に必ずBとCとを書いておかないと正確に理解してもらえない。ならば先にBとCとについて触れ、その上でAについても触れることにしよう」などという順序を決めて、さらにAやBやCをわかりやすく書くための表現も工夫するのです。
 そのようにして決めた組み立てや言い回しなどを、メモしておく場合もあります。しかし「メモなどせずに、このまま実際の原稿を書いてしまった方が早い」と考え、メモはとらない場合も少なくありません。

 そこへ電話がかかってきたり、あるいは誰かに話しかけられたりして数分間ほど対応したとしましょう。
 すると電話や話を終えた時には、頭の中にあった文章の組み立てや構想などを忘れてしまっている場合があるのです。
 少し考えてみて、それらの組み立てや構想を思い出せる場合もあります。しかしいくら一生懸命に考えてみても、頭の中にあったはずの組み立てや構想を二度と思い出せなくなってしまう場合もあるのです。

 必死に思い出そうと努力し、とても苦しい思いを強いられることもあります。にもかかわらず結局は思い出すことができなくて、すごく残念な思いをさせられることもあります。あの辛さは、体験したことがある人でなければ決してわかってもらえないのではないでしょうか。

 それが長い文章の山場の部分だったりすると、さらに悲惨なことになりかねません。
 私は何年もかけて準備をし、何か月もかけて書き進めてきた原稿の最後の山場の部分を書いている時に、隣の人に話しかけられて執筆を中断させられたことがあります。
 中断の後で続きを書いたのですが、どうしても自分で満足できる出来にはすることができませんでした。
 このような場合、何年もかけて取り組んできた作業が無駄になってしまうわけです。

「わずか数分間の中断で、数年分の作業が無駄になってしまう」という言い方をしても、その深刻さを理解してもらえない場合も多いようです。しかし「わずか数分間の中断で、何百万円分もの原稿料もしくは印税がパーになってしまう」という言い方をすれば、「それは大変だ」と思ってくださる方も多いのではないでしょうか。

 だから私は親しい相手には、私が原稿を書いている可能性が高い時間帯には電話をかけてこないようにと頼んでいます。
 近所の人たちなどにも、その時間帯には決して私に声をかけないようにお願いしています。
 それを守ってもらえないと、私は電話番号を変えたり引っ越したりすることを考えなければなりません。
 現に私が執筆中でも同じアパートに住んでいる人が庭から私の部屋へ来て話しかけるようになってしまい、そのアパートから引っ越したことなどもありました。
 おつきあいしている女性が何度も私の執筆の時間帯に電話をかけてきたので、おつきあいするのをやめなければならなかったことなどもあります。

 そんな私にとっては、執筆中に電話がかかってくるのがとても恐ろしく感じられてしまいます。
 それだけに、自分の側から誰かに電話をかけるのもためらわれてしまいます。
「あの人に今、電話をかけても大丈夫だろうか。何か手が離せない最中で迷惑だったりしたら、どうしよう」などと考え、気が引けてしまうのです。
 なので「この相手には、電話をかけても大丈夫なはずだ」とか「この時間帯なら、かまわないだろう」と思える場合でなければ、なかなか電話をかけられません。

 しかし私にとってはとても嬉しいことに、世間でも電子メールの利用が普及しました。
 電子メールであれば執筆中には受信せず、手があいてから受信することができます。
 送るのも自分が都合のいい時に送り、相手には先方の都合がいい時に読んでもらうことができます。
 なので私との連絡は、なるべく電話を使わずに電子メールで行なっていただけるよう皆様にはお願い申し上げております。

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