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『新ルールズ』 [恋愛実用書などで学ぶ]

エレン・ファイン+シェリー・シュナイダー『新ルールズ』田村明子・訳 ワニ文庫 KKベストセラーズ

ルールズ』の原著が話題になった後、著者たちは第二弾や第三弾を出版しました。
 そのうちの一冊、『ルールズ2』の原題は'The Rules II'。原著は一九九七年の出版です(この『ルールズ2』に関しては、当塾の「『ルールズ2』と『完全版』」の頁をご参照ください)。

 さらには同じ著者たちが書いた、『新ルールズ』という本も出版されました。
 これの原著は二〇〇一年の出版で、原題は'The Rules for Marriage'というもの。すなわち「結婚生活のためのルール」というわけですね。

 しかも『新ルールズ』を読むために、『ルールズ』や『ルールズ2』の内容を知っておく必要はありません。ですから『ルールズ』や『ルールズ2』を読んでいない既婚の女性が、自分たち夫婦の結婚生活の参考にするため、いきなり『新ルールズ』を読むことも可能です。

ルールズ』や『ルールズ2』を読んだ人が『新ルールズ』を読むと、少し意外な印象を受けるかもしれません。
ルールズ』や『ルールズ2』で著者たちは、女性が意中の男性の前でミステリアスにふるまうことで、結局は彼を彼女の意図したとおりにあやつってしまう手だてを紹介していました。しかし『新ルールズ』の中では、いろいろな場面で妻が夫に従うことを勧めているのです。
「幸せな結婚生活を維持するために女性は、夫をときには大切な顧客か客人のように扱わなければなりません」と著者たちは言うのです。

 たとえば「あなたはちょっと手の届かない家が気に入りました。彼はもう少し小さな家を買って、家具や新車にお金を使いたいと思っています」というような時、著者たちは「彼に勝ちを譲りなさい」と言うのです。あるいは、次のようにも書いています。

 夫がバスケットボールの試合を見に行くとか、SF映画のビデオを借りてくると言うと、たいがいの女性はまるで二歳の子供のように抵抗します。「そんなの、いやよ!」と。そしてスパでマッサージを受けたいとか、ロマンチックなコメディ映画がいいと主張します。

 しかし著者たちは「彼がやりたいことにはなるべく付き合ってあげて」と言うのです。
 さらには「結婚生活のセックスに関しては、夫が仕切ります。(中略)私たちが長年観察した結果によると、この分野では夫にペースを決めさせたほうがよさそうです」とも書いています。おいおい本当かよ、という気がしないでもないですが。

 それから著者たちは「夫が帰宅するなり玄関に飛び出していって、質問や苦情や雑用の話を浴びせかけるのはやめましょう。彼は、まるで口うるさい母親と一緒に住んでいるかのように息苦しさを感じ、早い時間に帰宅しなくなるかもしれません」と言い、「彼が上着を脱いで、郵便に目を通し、冷たい飲み物を飲んで、愛犬をかまい、椅子に十五分間身を沈めるまで、話しかけてはいけません」と書いています。「職場から家まで、正確にどのくらい時間がかかるのか。あなたは二十分で帰れることを知っていますが、彼はときには一時間もかけて帰ってきます。どうしてなのか、いちいち問い詰めないでください」とも書いています。「職場と家の間の時間は、一日のうち彼が一人になれる唯一の時間であることを忘れてはいけません。彼の上司、顧客、子供、そしてあなた、誰にも邪魔されることのない唯一の時間ですから、それを楽しませてあげてください」と言うのです。

「婚約者や夫が買ってくれたものは、見るのも嫌で絶対に身につけないと思わないかぎり、返品するのはやめましょう! たんに形やデザインが、あるいは色が自分だったらちょっと選ばなかっただろうという程度の合格ラインだったら、彼に気に入ったと言って、相手の感情を傷つけないために取っておきましょう。彼を傷つけるよりも、趣味をちょっと妥協したほうがいいではありませんか」などとも書いています。
 そして著者たちは、次のようにも言っています。

 男性は、あれこれ指図されるのが好きではありません。ですから、彼が家に帰ってくるのを嫌がるようになったり、あなたの電話を取らなくなったり、あなたのいる部屋から出て行くようになってほしくなければ、ガミガミ小言を言ってはいけません。

 さらに著者たちは「あなたがこの前彼を皮肉ったり、意地悪をしたり、批判をしたときに、何か得をしましたか? おそらくしていないでしょう」とも書いています。だから夫に小言は言うな、と唱えるのです。

 ここまで読んできてくださった皆さんは「これって、どこかで聞いたのと同じような話だな」と思っておられるのではないでしょうか。そう、そのとおり。『新ルールズ』で唱えられている内容は、二つ前の章でご紹介したローラ・ドイルの『賢い女は男を立てる』の主張と、かなり重なりあっているのです。

 ただし『賢い女は男を立てる』の方では、妻が表向き夫を立てれば、夫の機嫌がよくなって妻に優しくしてくれるから、結果として二人とも仲よく幸せになれると書かれていました。それに対して『新ルールズ』では、夫を立てることによって妻にもたらされるメリットが、それほど詳しく書かれていません。だから『新ルールズ』を読む女性の中には、「どうして女性の側が一方的に、こんなに自分を犠牲にしなくちゃいけないのか」と不満を抱く人もいるのではないでしょうか。男である私が読んでさえ「これではちょっと、いくらなんでも女の人が可哀相すぎる気がするよなあ」と感じられるほどです。

 そこで、ご提案(お、ひさしぶり)。夫婦仲をよくする手だてを知りたい女の人は、『賢い女は男を立てる』と『新ルールズ』の両方を読むといいのではないでしょうか。『賢い女は男を立てる』の方を読めば、夫を立てるのが結局は自分のためでもあると思えるようになるでしょう。そして『新ルールズ』の方では、『賢い女は男を立てる』の方には書かれていないような、いろいろなルールを読むことができるのです。
 だなんて書くと「お前も結局は、女性に自分のことを立ててもらいたいと思っているのか?」と詰問されてしまいそうですが。
(『幸せに役立つ恋愛本ガイド』より)

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THE RULES〈2〉さらに愛されるための33の法則 (ワニ文庫)


新ルールズ―幸せな愛と結婚のための法則 (ワニ文庫)


幸せに役立つ恋愛本ガイド

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ルールズ公認コーチ☆なおべ

凄くいい記事ですね。
確かに既婚者の女性は「新ルールズ」と「サレンダードワイフ」の
両方を読んだ方がいいと私も勧めています。
by ルールズ公認コーチ☆なおべ (2013-10-02 08:56) 

梧桐渉

なおべさんが書いてくださったCommentに関して、下記の頁で言及させていただきました。
http://gotolove.blog.so-net.ne.jp/2013-10-03
by 梧桐渉 (2013-10-03 06:38) 

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