性交の時は言葉も大切 [いい恋のためのエッセンス]
やがてマモル氏がシャワーを浴び終え、バスローブ姿でシャワー室から出てきた。
そしていよいよ、まずは真理亜さんとの「お手合わせ」が始まったのだ。
「いやあ、どうもどうも。ご婦人をそんな格好で、お待たせしてしまって申し訳ない。しかし、なんですな。そういう格好をしておられると、またいっそうおきれいに見えるじゃないですか。つやっぽいと言うのか、色っぽいと言いますか」マモル氏はそう声をかけながら真理亜さんの方に近づいてきて、その肩に手をかけた。「どれどれ近くで、よく拝見させていただきましょうかの。いやあ、これはこれは。シャワーを浴びられた肌が、また実になまめかしく輝いておられますな。ええっとちょっと、失礼させていただいて」
そう言ってマモル氏は真理亜さんの腰に手を回し、軽く抱きかかえるようにする。
「いやあ、お見事。こうすると、実に素晴らしい体の線をしておられるのがわかりますねえ。腰が見事に、くびれておられて。そしてその下にあるお尻のふくらみが、いかにも柔らかそうになまめかしく見えるじゃないですか。ううむ、まいった。男の目と気持ちをひきつける、実に魅力的なお体をしておられる」
そんなふうにマモル氏は真理亜さんの容姿を、のべつ間もなく誉めはじめたのだ。
「ふうむ、なるほどね」私のすぐ横にいる真朝が、押し殺した声で私の耳にささやいた。「あれは確かに、いいことだと認めてあげていいんじゃないのかな。ああやって相手の女性のことを、きちんと言葉にして誉めるというのはさ。それを聞かせてもらえれば女性の側はいい気分になれるし、これからしようとしていることに対して気持ちが前向きにもなれるから」
「その大切さはわかっているつもりですし、私もなるべくそうしようって心がけてはいるんですけど」私としてはどうしても、我と我が身を振りかえらざるをえない。「しかしなかなか、ああいうふうにいろいろと言いつづけることはできない場合が多いんですよね。ほんの一言か二言、誉めてみるのが精一杯で。どうしても男の側としては、照れのような気持ちがありますし。これからやろうとしていることの方に気が向いて、つい黙りこんでしまいがちだというせいもあるようですし。そのせいでマイには、よく文句を言われてしまうんですよ。黙りこんだまま黙々と愛撫を続けられたのでは、なんだか自分が単なる物として扱われているような気がしてきてしまうって」
そんなふうに私と真朝が言葉を交わしている間にも、マモル氏は真理亜さんのことを誉めつづける。
「こうやっておそばに寄らせていただくと、とてもいい匂いがしますねえ。シャワーを浴びた後の肌が、なまめかしく匂いたっている感じで。これから始まろうとしていることへの予感で、お体の全体が熱く火照っておられるんじゃないですか」
だがやがて、マモル氏が話す言葉の内容は少しずつ調子に変化が生じはじめた。ただ純粋に真理亜さんのことを誉めるというのではなく、少し淫らな表現なども混じるようになってきたのだ。
「おそらく真理亜さんのあそこはすでに、ぐちょぐちょでにゅぼにゅぼのびっとびとになっちゃってるんじゃないのかな。肌の表面が快感への期待で、ぎとぎとに脂ぎっちゃっていますぜ。なあに、もうしばらくの間の辛抱ですってば。今に私が真理亜さんのことを滅茶苦茶に可愛がり、ぐったぐたにしてさしあげますので」
そう言いながらマモル氏は真理亜さんが着ているバスローブの上から、その体をあちこちなでまわし始めた。
私が最初の頃の教習で真朝から教わったような、触れるか触れないかという程度のゆっくりとしたなで方ではない。だがマモル氏が真理亜さんの耳元で語り続けている言葉と合わさって、真理亜さんの気持ちに一定の効果を与えてはいるようだ。真理亜さんはうっとりと目を閉じて、マモル氏の愛撫に身を任せている。
「ああいう『ぐちょぐちょ』だとかの言葉で気持ちが高ぶっちゃう女の人も、確かにいるみたいなのよね」やはり押し殺した声で、真朝が私にささやいた。「私はどちらかというと、あんまり好きになれないんだけど」
「私も駄目ですね。ああいう言葉を使うことには、どうしても抵抗感がありますので」私も低く抑えた声で、真朝に応える。「おそらく子供だった頃から、ずっと心がけてきたせいもあるのでしょうけど。文章を書く時に、使い古された擬態語の類を用いちゃいけないと。だから私は漫画や劇画の類を読んでいる時も、ついついそれが気になってしまうほどなんですよ。漫画や劇画には普通、擬態語がたくさん使われてしまっていますから」
（「愛の社会へ女尊運動」より）
『愛の社会へ女尊運動』には、より気持ちのいい性交のやり方の教習が描かれています。
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そしていよいよ、まずは真理亜さんとの「お手合わせ」が始まったのだ。
「いやあ、どうもどうも。ご婦人をそんな格好で、お待たせしてしまって申し訳ない。しかし、なんですな。そういう格好をしておられると、またいっそうおきれいに見えるじゃないですか。つやっぽいと言うのか、色っぽいと言いますか」マモル氏はそう声をかけながら真理亜さんの方に近づいてきて、その肩に手をかけた。「どれどれ近くで、よく拝見させていただきましょうかの。いやあ、これはこれは。シャワーを浴びられた肌が、また実になまめかしく輝いておられますな。ええっとちょっと、失礼させていただいて」
そう言ってマモル氏は真理亜さんの腰に手を回し、軽く抱きかかえるようにする。
「いやあ、お見事。こうすると、実に素晴らしい体の線をしておられるのがわかりますねえ。腰が見事に、くびれておられて。そしてその下にあるお尻のふくらみが、いかにも柔らかそうになまめかしく見えるじゃないですか。ううむ、まいった。男の目と気持ちをひきつける、実に魅力的なお体をしておられる」
そんなふうにマモル氏は真理亜さんの容姿を、のべつ間もなく誉めはじめたのだ。
「ふうむ、なるほどね」私のすぐ横にいる真朝が、押し殺した声で私の耳にささやいた。「あれは確かに、いいことだと認めてあげていいんじゃないのかな。ああやって相手の女性のことを、きちんと言葉にして誉めるというのはさ。それを聞かせてもらえれば女性の側はいい気分になれるし、これからしようとしていることに対して気持ちが前向きにもなれるから」
「その大切さはわかっているつもりですし、私もなるべくそうしようって心がけてはいるんですけど」私としてはどうしても、我と我が身を振りかえらざるをえない。「しかしなかなか、ああいうふうにいろいろと言いつづけることはできない場合が多いんですよね。ほんの一言か二言、誉めてみるのが精一杯で。どうしても男の側としては、照れのような気持ちがありますし。これからやろうとしていることの方に気が向いて、つい黙りこんでしまいがちだというせいもあるようですし。そのせいでマイには、よく文句を言われてしまうんですよ。黙りこんだまま黙々と愛撫を続けられたのでは、なんだか自分が単なる物として扱われているような気がしてきてしまうって」
そんなふうに私と真朝が言葉を交わしている間にも、マモル氏は真理亜さんのことを誉めつづける。
「こうやっておそばに寄らせていただくと、とてもいい匂いがしますねえ。シャワーを浴びた後の肌が、なまめかしく匂いたっている感じで。これから始まろうとしていることへの予感で、お体の全体が熱く火照っておられるんじゃないですか」
だがやがて、マモル氏が話す言葉の内容は少しずつ調子に変化が生じはじめた。ただ純粋に真理亜さんのことを誉めるというのではなく、少し淫らな表現なども混じるようになってきたのだ。
「おそらく真理亜さんのあそこはすでに、ぐちょぐちょでにゅぼにゅぼのびっとびとになっちゃってるんじゃないのかな。肌の表面が快感への期待で、ぎとぎとに脂ぎっちゃっていますぜ。なあに、もうしばらくの間の辛抱ですってば。今に私が真理亜さんのことを滅茶苦茶に可愛がり、ぐったぐたにしてさしあげますので」
そう言いながらマモル氏は真理亜さんが着ているバスローブの上から、その体をあちこちなでまわし始めた。
私が最初の頃の教習で真朝から教わったような、触れるか触れないかという程度のゆっくりとしたなで方ではない。だがマモル氏が真理亜さんの耳元で語り続けている言葉と合わさって、真理亜さんの気持ちに一定の効果を与えてはいるようだ。真理亜さんはうっとりと目を閉じて、マモル氏の愛撫に身を任せている。
「ああいう『ぐちょぐちょ』だとかの言葉で気持ちが高ぶっちゃう女の人も、確かにいるみたいなのよね」やはり押し殺した声で、真朝が私にささやいた。「私はどちらかというと、あんまり好きになれないんだけど」
「私も駄目ですね。ああいう言葉を使うことには、どうしても抵抗感がありますので」私も低く抑えた声で、真朝に応える。「おそらく子供だった頃から、ずっと心がけてきたせいもあるのでしょうけど。文章を書く時に、使い古された擬態語の類を用いちゃいけないと。だから私は漫画や劇画の類を読んでいる時も、ついついそれが気になってしまうほどなんですよ。漫画や劇画には普通、擬態語がたくさん使われてしまっていますから」
（「愛の社会へ女尊運動」より）
『愛の社会へ女尊運動』には、より気持ちのいい性交のやり方の教習が描かれています。
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