「10年ごしのプロポーズ」解説 [16才と27才の恋話]
「10年ごしのプロポーズ」の話はこの後、まだ続きます。
第34章からは主人公たちが七月に、八が岳を縦走した時の様子が描かれます。そしてその後、あくる八月に主人公たちが上高地へ行った時の話が書かれて、この「10年ごしのプロポーズ」という作品は終わるのです。
つまり「10年ごしのプロポーズ」は主人公が27才だった年の夏から28才になった年の夏まで、ほぼ一年の間に起こった出来事を書いた話だと言えるのでしょう。
しかし、この「幸せになれる恋愛ノウハウ塾」では第34章から先、28才の夏の話は省かせていただくことにします。
当塾で私が皆さんに読んでいただきたかったのは、第33章までの話だったからです。
この「10年ごしのプロポーズ」も実際に私が体験したことを、ほぼそのまま描いてみたものです。
つまり私は27才の夏から28才の夏にかけて、ここに描かれたような一年間を実際に過ごしたのです。
これまで読んできていただいたように、それはいろいろとドラマティックな出来事が次から次へと起こる、まるで小説か何かのような一年間でした。
この後いったい、どうなるのだろう――私は当時、いつもそんなふうに思ってハラハラドキドキしながら日々を過ごしていたのです。
それは不安もありましたが、とても充実感を抱くことのできる毎日でもありました。
そんなドラマティックな体験をできたのは、やはり何と言ってもナツヨのせいであり、おかげでもあった部分が大きいのでしょう。
しかし決して、彼女だけではありません。
当時の私のまわりには、実に気のいい仲間たちがそろっていました。ナツヨやゲンタを初めとする現役生たちに加えて、ミサトやカズシなどの卒業生たち――あれほど気のいい仲間たちに囲まれて過ごした日々は、とても幸せなものだったと今でも振りかえるたびに思います。
それに夜高でカツヒロが単独行動をしなかったとしたら、その後の感動的な体験もできずに終わってしまっていたのでしょう。それを思うと私は今、カツヒロも含めて当時の仲間たち皆に感謝をしたい気持ちです。
でも、それは私の個人的な思いでしかありません。
当塾で「10年ごしのプロポーズ」を読む皆さんにとっては、この作品を恋愛物語として見た時の特長こそが大切なわけですよね。
「10年ごしのプロポーズ」にはマミを除くとヒロインが二人、出てきます。言うまでもなく、ミサトとナツヨの二人です。
ミサトのような女性と、ナツヨのような女性――そんな二人のヒロインが登場する物語は、実は他にもたくさんあります。
その中でも特に有名で、しかも二人のヒロインの性格や位置づけなどが「10年ごしのプロポーズ」とよく似ている作品は、やはり当塾の「恋愛物語などから学ぶ」でも取りあげた村上春樹の『ノルウェイの森』でしょう。
あの作品で主人公のワタナベは表向き、わりと大人っぽい女性に見える直子と人生を共にすることを考えていました。こういう書き方をすると、ワタナベにとっての直子の位置づけは「10年ごしのプロポーズ」の主人公にとってのミサトのそれと共通点が多くなります。
一方でワタナベは、いろいろと次から次へ事件を起こす緑から慕われてもいました。そんな緑は、ナツヨと共通点が多いようです。
そんな二人のヒロインにはさまれた時に男の主人公が、どういう生き方を選ぶのか――そんな主題を描いた作品は、とてもたくさんあるのです。よく知られているところでは柴門ふみ『東京ラブストーリー』なども、その一例です。さらには男と女の立場が逆になっている作品も、いろいろとあるようです。
しかし27才から28才にかけての私は、そんな「物語の中によくある状況」に、実際に直面させられたわけです。そんな中で主人公が、いろいろと考えたり右往左往したりする様子は、読者の皆さんにとっても参考にしていただける部分があったのではないでしょうか。
「10年ごしのプロポーズ」の主人公はナツヨのことを気にかけるあまり、それまで自分が生きがいとすらしてきた大切なものを手放してまで、ナツヨのために行動することを選びます。それは恋愛感情に基づく決断ではなかったのだとしても、親が自分の子供に対して抱くのと似たような「真実の愛」だったのではないかと私は思うのです。
しかも「10年ごしのプロポーズ」は、教育論を取りあげた作品だとも言えるようです。
高校生と接する大人の側の思いや試行錯誤の様子を、この「10年ごしのプロポーズ」のように詳しく書いた作品は、わりと目にする機会が少ないのではないでしょうか。
その意味でも私は「10年ごしのプロポーズ」を、高校生たちと接した大人の側の真剣な取り組みを描いた一つの事例として、教育に関わる大勢の人たちにも参考にしていただければと願っています。
2009年1月11日からは当塾で、「恋愛で必ず幸せになる秘訣」を連載しはじめる予定です。皆さんに幸せな恋愛をしていただく上で、きっとお役に立てるはずだと思っています。
註
『10年ごしのプロポーズ』Kindle版の電子書籍の出版に伴い、第13~21章は当塾での公開を中断させていただきます。
下にある本の画像をクリックすると、その本に関するAmazon.co.jpの該当頁が表示されます。
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第34章からは主人公たちが七月に、八が岳を縦走した時の様子が描かれます。そしてその後、あくる八月に主人公たちが上高地へ行った時の話が書かれて、この「10年ごしのプロポーズ」という作品は終わるのです。
つまり「10年ごしのプロポーズ」は主人公が27才だった年の夏から28才になった年の夏まで、ほぼ一年の間に起こった出来事を書いた話だと言えるのでしょう。
しかし、この「幸せになれる恋愛ノウハウ塾」では第34章から先、28才の夏の話は省かせていただくことにします。
当塾で私が皆さんに読んでいただきたかったのは、第33章までの話だったからです。
この「10年ごしのプロポーズ」も実際に私が体験したことを、ほぼそのまま描いてみたものです。
つまり私は27才の夏から28才の夏にかけて、ここに描かれたような一年間を実際に過ごしたのです。
これまで読んできていただいたように、それはいろいろとドラマティックな出来事が次から次へと起こる、まるで小説か何かのような一年間でした。
この後いったい、どうなるのだろう――私は当時、いつもそんなふうに思ってハラハラドキドキしながら日々を過ごしていたのです。
それは不安もありましたが、とても充実感を抱くことのできる毎日でもありました。
そんなドラマティックな体験をできたのは、やはり何と言ってもナツヨのせいであり、おかげでもあった部分が大きいのでしょう。
しかし決して、彼女だけではありません。
当時の私のまわりには、実に気のいい仲間たちがそろっていました。ナツヨやゲンタを初めとする現役生たちに加えて、ミサトやカズシなどの卒業生たち――あれほど気のいい仲間たちに囲まれて過ごした日々は、とても幸せなものだったと今でも振りかえるたびに思います。
それに夜高でカツヒロが単独行動をしなかったとしたら、その後の感動的な体験もできずに終わってしまっていたのでしょう。それを思うと私は今、カツヒロも含めて当時の仲間たち皆に感謝をしたい気持ちです。
でも、それは私の個人的な思いでしかありません。
当塾で「10年ごしのプロポーズ」を読む皆さんにとっては、この作品を恋愛物語として見た時の特長こそが大切なわけですよね。
「10年ごしのプロポーズ」にはマミを除くとヒロインが二人、出てきます。言うまでもなく、ミサトとナツヨの二人です。
ミサトのような女性と、ナツヨのような女性――そんな二人のヒロインが登場する物語は、実は他にもたくさんあります。
その中でも特に有名で、しかも二人のヒロインの性格や位置づけなどが「10年ごしのプロポーズ」とよく似ている作品は、やはり当塾の「恋愛物語などから学ぶ」でも取りあげた村上春樹の『ノルウェイの森』でしょう。
あの作品で主人公のワタナベは表向き、わりと大人っぽい女性に見える直子と人生を共にすることを考えていました。こういう書き方をすると、ワタナベにとっての直子の位置づけは「10年ごしのプロポーズ」の主人公にとってのミサトのそれと共通点が多くなります。
一方でワタナベは、いろいろと次から次へ事件を起こす緑から慕われてもいました。そんな緑は、ナツヨと共通点が多いようです。
そんな二人のヒロインにはさまれた時に男の主人公が、どういう生き方を選ぶのか――そんな主題を描いた作品は、とてもたくさんあるのです。よく知られているところでは柴門ふみ『東京ラブストーリー』なども、その一例です。さらには男と女の立場が逆になっている作品も、いろいろとあるようです。
しかし27才から28才にかけての私は、そんな「物語の中によくある状況」に、実際に直面させられたわけです。そんな中で主人公が、いろいろと考えたり右往左往したりする様子は、読者の皆さんにとっても参考にしていただける部分があったのではないでしょうか。
「10年ごしのプロポーズ」の主人公はナツヨのことを気にかけるあまり、それまで自分が生きがいとすらしてきた大切なものを手放してまで、ナツヨのために行動することを選びます。それは恋愛感情に基づく決断ではなかったのだとしても、親が自分の子供に対して抱くのと似たような「真実の愛」だったのではないかと私は思うのです。
しかも「10年ごしのプロポーズ」は、教育論を取りあげた作品だとも言えるようです。
高校生と接する大人の側の思いや試行錯誤の様子を、この「10年ごしのプロポーズ」のように詳しく書いた作品は、わりと目にする機会が少ないのではないでしょうか。
その意味でも私は「10年ごしのプロポーズ」を、高校生たちと接した大人の側の真剣な取り組みを描いた一つの事例として、教育に関わる大勢の人たちにも参考にしていただければと願っています。
2009年1月11日からは当塾で、「恋愛で必ず幸せになる秘訣」を連載しはじめる予定です。皆さんに幸せな恋愛をしていただく上で、きっとお役に立てるはずだと思っています。
註
『10年ごしのプロポーズ』Kindle版の電子書籍の出版に伴い、第13~21章は当塾での公開を中断させていただきます。
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