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「うつ病の妻の死」 [恋愛小説などから学ぶ]

 うつ病になった妻の世話を続けて八年以上、とても大変な日々を過ごしながらも「誓って言うが、私はただの一度も美紗子を投げ出したいと考えたことはない。彼女は私の最愛の妻なのである」と断言する――そんな御木達哉氏による体験記『うつ病の妻と共に』を、この「幸せになれる恋愛ノウハウ塾」の「恋愛小説などから学ぶ」でご紹介しました。この本からは、実に美しい夫婦愛の姿を読みとることができます。
 この本の文庫版は二〇〇七年の三月に出版されましたが、その巻末には「文庫版によせて それからの美紗子」と題された文章が収められています。そして、そこでは御木氏の妻である美紗子さんがまだ回復していないことが書かれていました。

 ところが先日、二〇〇八年八月一日のこと。新聞の朝刊に、同じ御木達哉氏による『歌集 美紗子抄』という本の広告が載りました。
 そして、この『歌集 美紗子抄』には「うつ病の妻の死」という副題が付けられています。
 しかもその広告には、次のように書かれていたのです。

うつ病の妻との試行錯誤の日々を克明に綴った記録、
『うつ病の妻と共に』(文春文庫刊)の著者が、
自ら命を絶った妻にささげる、わが心の叫び。

 どうやら美紗子さんは、自殺してしまったようですね。

『うつ病の妻と共に』には発病してからの美紗子さんの日々の様子が、かなり詳しく描かれています。それを読ませていただくと御木ご夫妻のことが、とても身近に感じられるほどです。その結果として私は僭越ながら、お二人に対して親近感のようなものすら抱くようになっていました。はるかに私よりも年上のはずであり、しかもご病気で苦しんでおられる美紗子さんに対して失礼ではありますが、「可愛らしい女の人だな」と感じてしまったりしていたのです。
 それはちょうど高村光太郎の詩集『智恵子抄』で、発病した智恵子さんの様子を描いた詩を読み、不謹慎だとは思いつつも彼女のことを可愛らしく感じてしまうのと似た心理によるものだったのでしょう。

 そんな、あの美紗子さんが亡くなられてしまっただなんて。『歌集 美紗子抄』の広告を見た時に私は、思わず茫然としてしまいました。ましてや「最愛の妻」に先立たれた御木氏は今、どのようなお気持ちでいらっしゃるのでしょうか。御木氏が激しく気落ちされたままでなく、気力を取り戻されつつあるといいのですが。

 うつ病に関しては私も最近、十数冊ほどの本を読みました。薬を飲みつづければ数か月から数年で治る人が多い一方で、なかなか治らない人もいらっしゃるようですね。発病中のご本人や周囲の人たちの苦しみは、とても辛いものだとお聞きしています。どうか治療や予防に関する研究が進み、うつ病に悩まされる人が減ってほしいものだと思います。

 うつ病は心理的な原因というよりも、純粋に身体的な原因で発病する場合が多いとお聞きしました。しかし最近では生活や将来が不安で、うつな気分に陥ってしまっている人も多いのでしょう。ですので私も微力ながら今後、少しでもそういう人たちのために役立てる活動を考えてみたいと思っております。

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美紗子抄―歌集 うつ病の妻の死


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NO NAME

うつは一生治りません
うつの行き着くところは結局自殺、ということがよくわかる事例です
by NO NAME (2010-10-15 10:43) 

梧桐渉

NO NAMEさんが書いてくださったCommentについて、下記の頁で言及させていただきました。
http://gotolove.blog.so-net.ne.jp/2010-10-16

by 梧桐渉 (2010-10-16 17:52) 

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