優しい男の探し方.1

（幸せな恋の参考にしていただくため、塾生001番の梧桐渉が今までに書いた文章の中からエッセンスの部分をご紹介していきます。）

「優男」と書いて、「やさおとこ」と読む。
　元々は「優雅な男」という意味のある言葉だったらしい。
　しかし今では主に、以下のようないくつかの意味で使われることが多いようだ。

1. 性格が優しい男という意味。
2. 顔や体つきや振る舞いが優しそうに感じられる男という意味。本当に性格が優しい場合と、見た目だけの場合の両方がある。
3. なよなよした男という意味。

　このうち二番目と三番目を合わせた意味で用いられることが、最近はわりと多いのだろう。
　しかしここでは「優男」という言葉を、一番目と二番目を合わせた意味で使わせてもらうことにしたい。すなわち「外見や言動が優しげで、実際の性格も優しい男」というわけだ。

　そんな優男を求める女性が、この頃は増えてきているように思われる。
　これまでは、どこか力強さを感じさせる男が女性の人気を集める例が多かった。俳優や歌手やスポーツ選手など、その実例はいくらでもある。
　力強さは女性に、頼もしさを感じさせるからだろうか。ちょっとだけ不良っぽい部分を持った男が女性の人気を集めやすい、という傾向も影響しているのだろう。

　だが最近では、あまり力強さを感じさせない優男の人気も高い。
　その代表例が、韓国の男優たちだ。音楽の分野でも、高めの声で優しく歌う男性歌手の曲が売れる例が続いている。
　もちろん、力強さを感じさせる男性の人気も決して衰えてはいない。だが今は、それと並んで優男も人気を集める時代だと言えるのではないだろうか。

　もともと女性は昔から、優しい男が好きだった。「恋人にしたい相手」や「結婚したい相手」について訊くと、「優しい男（ひと）」という答えが圧倒的に多かったのだ。
　ただし一九八〇年代の中頃からの一時期だけは、少し様子が違っていた。恋人や結婚相手に優しさよりも、まずは経済力を求める女性が増えたのだ。

　あの頃に高学歴や高収入の男性がもてはやされたのは、すなわち女性たちが男性に経済力を求めていたからだ。
　恋人や夫は自分に豊かな暮らしを保証してくれさえすれば、それでいい。あまり優しくしてくれなくても、自分は恋人や夫が与えてくれるお金を自由に使えて好き勝手な暮らしができさえすれば幸せだ――そんなふうに割りきって考える女性すら、当時は決して少なくなかったとされている。「亭主、元気で留守がいい」というわけだ。

　もちろん恋人や夫に経済力を求める傾向は、二十一世紀に入った今でも続いているのだろう。しかし最近の調査で見ると女性は、相手の年収よりも性格を重視するという結果が出ている。「人柄よりも経済力を重視する」という傾向は、さすがに少なくなっているようだ。あれはおそらく、いわゆるバブル経済の時期ならではの風潮だったのではないだろうか。

　もちろん性格の優しい男が経済力も備えていたら、女性にとっては理想的なのだろう。
　そんな女性の願望を体現してみせたのが、韓国のＴＶドラマ「冬のソナタ」の男主人公ではないだろうか。
　かの男主人公はヒロインに対して、とても優しく接する。ヒロインを助けようとして自分が車にはねられ、意識不明の重態に陥ったりもするほどだ。
　その一方で男主人公は、スキー場の開発を進めるような企業の代表理事を務めてもいる。
　まだ二十代の若者が、そんな企業の理事だというのだ。この設定は、「冬のソナタ」の筋が非現実的だと言われる一因にもなっているのだろう。

　この男主人公のように経済力を持った優男が実在したら、女性にとっては確かに憧れの的となる可能性が高い。
　だが現実には残念ながら、優男が経済力を兼ね備えている例は少ないと思われる。
　優男は優男であるがゆえに、経済力とは縁のない人生を送る確率が高いのだ。
　そうなってしまう理由を今から、説明しよう。
（「優しい男と恋する方法」より）

（この続きは拙著『優しい男と恋する方法』もしくは『いい恋のためのエッセンス』でお読みください。
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