女性の心理を的確に指摘 [恋愛実用書などで学ぶ]
井形慶子『なぜかオトコ運のいい女性 悪い女性』知恵の森文庫 光文社
女性は三高の男性を求める、と二十世紀の終わり頃には言われていました。三高というのは高身長と高学歴と高収入の三つです。
しかしこの件について井形慶子は『なぜかオトコ運のいい女性 悪い女性』の中で、次のように書いています。
その頃、「ミスター・パートナー」の編集長である私のもとにもたくさんの取材依頼がきました。ところが、向けられる質問は私の考えとかみ合わずチグハグな感じがしました。
記者 なぜ今の女性は三高男なんでしょうか。理想が高くなったんでしょうか?
井形 あの……私は、マスコミが言うほどに普通の女性が三高男にこだわっているとは
思わないんです。そもそも三高という言葉自体マスコミが作り上げたものではないか
と思うんですけど……。
これと似たようなことは、二〇〇七年にPHP研究所から出版された小浜逸郎『結婚という決意』の中にも書かれています。次のようにです。
男性の結婚難を声高に唱える人々は、その理由のひとつとして「ワガママHanako」さんの「三高」要求をあげます。しかし、これもまたマスメディアによって極端に増幅されたイメージであって、ごくふつうの女性が明確な「三高」要求など掲げていないことは明らかです。そのことはたとえば、沖藤典子さんの『賢い女はいい結婚ができる』(大和出版、一九九〇年)という本に書かれた調査結果を見てもわかります。
沖藤さんは、短大生二〇四名を対象に、「あなたの理想とする結婚相手の条件」というアンケートで十五項目から複数選択してもらったそうです。すると、「何でも話しあえる」「お互いの人格を認めあえる」「思いやりがある」「優しい」の四項目が圧倒的多数を占め、「背が高い」「給料が高い」「学歴がいい」はいずれも九位以下、「学歴」に至っては、わずか三%の人しかマルをつけないという結果が出ました。
もちろん、男性に三高を求める女性は確実に存在していました。「当時の自分は、そうだった」と本人が書いている本が何冊も出版されているので、間違いないでしょう。
しかし一方、マスメディアでは「それ以前と異なる新しい世相」や「非難すべき点のある風潮」などが大きく取り上げられる傾向があります。「女性は三高の男性を求める」というのも、その一例だと言えるのではないでしょうか。
必ずしも多くの女性が三高の男性を求めているわけではないことは私も当時、大勢の若い女性と身近に接する立場にいたため、感じていました。そして井形慶子も、主に若い女性を対象とした雑誌の編集長を務める中で、それを見抜いていたのでしょう。
三高の男性について井形慶子は『なぜかオトコ運のいい女性 悪い女性』の中で、次のようにも書いています。
いくら三高男とはいえ、会社からリストラされてしまって職にあぶれれば、背が高く、いい大学を出ていたとしても、たちまち暮らしは不安定になり、女性とつき合うどころではなくなります。
たとえ、リストラの心配のない職場にいたとしても、人生というのは何が起きるかわかりません。三高男が不幸にも交通事故に遭ったり、病気になったらどうなるんでしょう。
彼らの多くは、企業戦士として過酷な職場競争に勝ち残らんがためにストレスからくる身体の不調を訴えています。そのせいでしょうか、三高と呼ばれる男たちは対人関係にとても脆弱です。
そして井形慶子は三高の男性について「人間の傲慢な芽を育てる温床の中で育ったようなものではないでしょうか」とも言うのです。
これは私が、このblogのうち「恋愛で必ず幸せになる秘訣」の「経済力を重視しない」の章で書いたこととも重なります。
それから井形慶子の次のような指摘は、やはり私が「恋愛で必ず幸せになる秘訣」の「不良っぽい男の功罪」の章の後半で書いたことと似ています。
若い頃は友人がいようがいまいが、少し物憂げでアンニュイな感じのする男は魅力的に映るものです。ところが、いつも結果は同じ。このタイプとつき合うとさんざん傷つき自己嫌悪に陥るので、その後はこのタイプにはなるべく近づかないようになりました。
なぜなら、友人のいない、わがままな男というのは絶対に女性との人間関係も円滑にはできないのです。恋愛や結婚を成功させる鍵は人間関係力です。同性の友人や仕事仲間にはまったくダメでも、女にだけは包容力を持って誠実につき合えるなんて、そんな小技はすぐメッキが剥がれてボロがでます。
そして井形慶子は、次のように言うのです。
今の適齢期といわれる女性が目指しているのは普通の恋愛による安定した長続きする結婚です。そこには、高収入でなく、背が高いわけでもないけれど、家族思いの夫とゆっくりごはんを食べたり、遊んだりできる時間が約束されているのです。
そう、女性たちは自分たちが幸せになるには男性に条件を突きつけるのではなく、彼らと共に過ごし、成長することがいちばんだと気づいています。
これも私が「恋愛で必ず幸せになる秘訣」の第二部で唱えていることと重なります。
しかし『なぜかオトコ運のいい女性 悪い女性』は最初、二〇〇〇年に大和書房から出版されたそうです。そして二〇〇三年に、それを「加筆修正のうえ再編集したもの」が知恵の森文庫の一冊として出版されたのです。
すでに二〇〇〇年の時点で、ここに引用したようなことを指摘していたのだとすると――主に若い女性を対象とした雑誌の編集長を務めていることもあって井形慶子は、彼女たちの心理をかなり正確に把握できていると言えるのでしょう。
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女性は三高の男性を求める、と二十世紀の終わり頃には言われていました。三高というのは高身長と高学歴と高収入の三つです。
しかしこの件について井形慶子は『なぜかオトコ運のいい女性 悪い女性』の中で、次のように書いています。
その頃、「ミスター・パートナー」の編集長である私のもとにもたくさんの取材依頼がきました。ところが、向けられる質問は私の考えとかみ合わずチグハグな感じがしました。
記者 なぜ今の女性は三高男なんでしょうか。理想が高くなったんでしょうか?
井形 あの……私は、マスコミが言うほどに普通の女性が三高男にこだわっているとは
思わないんです。そもそも三高という言葉自体マスコミが作り上げたものではないか
と思うんですけど……。
これと似たようなことは、二〇〇七年にPHP研究所から出版された小浜逸郎『結婚という決意』の中にも書かれています。次のようにです。
男性の結婚難を声高に唱える人々は、その理由のひとつとして「ワガママHanako」さんの「三高」要求をあげます。しかし、これもまたマスメディアによって極端に増幅されたイメージであって、ごくふつうの女性が明確な「三高」要求など掲げていないことは明らかです。そのことはたとえば、沖藤典子さんの『賢い女はいい結婚ができる』(大和出版、一九九〇年)という本に書かれた調査結果を見てもわかります。
沖藤さんは、短大生二〇四名を対象に、「あなたの理想とする結婚相手の条件」というアンケートで十五項目から複数選択してもらったそうです。すると、「何でも話しあえる」「お互いの人格を認めあえる」「思いやりがある」「優しい」の四項目が圧倒的多数を占め、「背が高い」「給料が高い」「学歴がいい」はいずれも九位以下、「学歴」に至っては、わずか三%の人しかマルをつけないという結果が出ました。
もちろん、男性に三高を求める女性は確実に存在していました。「当時の自分は、そうだった」と本人が書いている本が何冊も出版されているので、間違いないでしょう。
しかし一方、マスメディアでは「それ以前と異なる新しい世相」や「非難すべき点のある風潮」などが大きく取り上げられる傾向があります。「女性は三高の男性を求める」というのも、その一例だと言えるのではないでしょうか。
必ずしも多くの女性が三高の男性を求めているわけではないことは私も当時、大勢の若い女性と身近に接する立場にいたため、感じていました。そして井形慶子も、主に若い女性を対象とした雑誌の編集長を務める中で、それを見抜いていたのでしょう。
三高の男性について井形慶子は『なぜかオトコ運のいい女性 悪い女性』の中で、次のようにも書いています。
いくら三高男とはいえ、会社からリストラされてしまって職にあぶれれば、背が高く、いい大学を出ていたとしても、たちまち暮らしは不安定になり、女性とつき合うどころではなくなります。
たとえ、リストラの心配のない職場にいたとしても、人生というのは何が起きるかわかりません。三高男が不幸にも交通事故に遭ったり、病気になったらどうなるんでしょう。
彼らの多くは、企業戦士として過酷な職場競争に勝ち残らんがためにストレスからくる身体の不調を訴えています。そのせいでしょうか、三高と呼ばれる男たちは対人関係にとても脆弱です。
そして井形慶子は三高の男性について「人間の傲慢な芽を育てる温床の中で育ったようなものではないでしょうか」とも言うのです。
これは私が、このblogのうち「恋愛で必ず幸せになる秘訣」の「経済力を重視しない」の章で書いたこととも重なります。
それから井形慶子の次のような指摘は、やはり私が「恋愛で必ず幸せになる秘訣」の「不良っぽい男の功罪」の章の後半で書いたことと似ています。
若い頃は友人がいようがいまいが、少し物憂げでアンニュイな感じのする男は魅力的に映るものです。ところが、いつも結果は同じ。このタイプとつき合うとさんざん傷つき自己嫌悪に陥るので、その後はこのタイプにはなるべく近づかないようになりました。
なぜなら、友人のいない、わがままな男というのは絶対に女性との人間関係も円滑にはできないのです。恋愛や結婚を成功させる鍵は人間関係力です。同性の友人や仕事仲間にはまったくダメでも、女にだけは包容力を持って誠実につき合えるなんて、そんな小技はすぐメッキが剥がれてボロがでます。
そして井形慶子は、次のように言うのです。
今の適齢期といわれる女性が目指しているのは普通の恋愛による安定した長続きする結婚です。そこには、高収入でなく、背が高いわけでもないけれど、家族思いの夫とゆっくりごはんを食べたり、遊んだりできる時間が約束されているのです。
そう、女性たちは自分たちが幸せになるには男性に条件を突きつけるのではなく、彼らと共に過ごし、成長することがいちばんだと気づいています。
これも私が「恋愛で必ず幸せになる秘訣」の第二部で唱えていることと重なります。
しかし『なぜかオトコ運のいい女性 悪い女性』は最初、二〇〇〇年に大和書房から出版されたそうです。そして二〇〇三年に、それを「加筆修正のうえ再編集したもの」が知恵の森文庫の一冊として出版されたのです。
すでに二〇〇〇年の時点で、ここに引用したようなことを指摘していたのだとすると――主に若い女性を対象とした雑誌の編集長を務めていることもあって井形慶子は、彼女たちの心理をかなり正確に把握できていると言えるのでしょう。
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